中古マンションの登記費用はどれくらい?物件価格別にシミュレーション

「中古マンションの登記ってどんな手続きが必要?」「費用はどれくらいかかるの?」と疑問に感じていませんか?

購入時には所有権移転や抵当権設定などの登記が必要となり、司法書士への報酬や登録免許税などの費用も発生します。登記費用は物件の価格や種々の条件によって大きく変わることがあります。事前に手続き内容と相場を理解しておけば、資金計画にも余裕が生まれるでしょう。

この記事では、中古マンションの登記にかかる費用や具体例、さらに登記以外の諸費用まで詳しく解説します。物件価格別の登記費用のシミュレーションも掲載しましたので、ぜひお役立てください。

執筆者プロフィール
山下 麻綾
宅地建物取引士/行政書士

独学で宅地建物取引士/行政書士に合格。現在は、不動産や法律、金融、ライフスタイル系、コーヒーなど幅広いジャンルのライターとして活動している。

本記事の内容は2025年7月23日時点の情報に基づいており、不動産市場の状況や関連法規、税制などは将来変更される可能性があります。最新の情報については、公式の情報源をご確認ください。

目次

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中古マンションの購入時に必要な登記手続きとは?

中古マンションを購入する際には、適切な登記手続きが欠かせません。なぜなら、登記を済ませないと法的に「所有者」として認められないからです。

具体的には「所有権移転登記」と「抵当権設定登記」の2つが主に関ります。これらは不動産を取得するうえで基本となる手続きで、購入後のトラブルを防ぐためにも重要です。

まずは、それぞれの登記手続きの内容と登記費用のポイントを解説します。安心してマンションを購入するために、正しい登記の知識を身につけておきましょう。

所有者移転登記

所有者移転登記とは、マンションの所有権を売主から買主に正式に移すための手続きです。この登記を済ませることで、買主が法的にその不動産の所有者として認められます。

通常は売買契約の締結後、物件の引き渡しと同時に行われ、司法書士に依頼するケースが一般的です。この際「登録免許税」や「司法書士への報酬」などの費用が発生します。

費用は物件価格に応じて変動するため、あらかじめ相場の目安を知っておくと安心です。

山下

所有者移転登記は、購入後のトラブルを防ぎ、確実に権利を得るために必要不可欠なステップといえるでしょう。

抵当権設定登記

抵当権設定登記とは、住宅ローンを利用して中古マンションを購入する場合に、金融機関が担保として設定する権利を記録する手続きです。この登記を行うことで、万が一返済が滞った場合に、金融機関が不動産を差し押さえる権利を持つことになります。

登記手続きは、通常、金融機関が指定する司法書士が代行し、登録免許税や手数料がかかります。

山下

住宅ローンを組む際には必ず必要となる登記であり、所有者移転登記とあわせて実施されるのが一般的です。

中古マンションの購入時の登記費用はいくら?

中古マンションを購入する際は、登記費用が数十万円かかることがあります。事前におおよその金額を把握しておくと資金計画にも余裕が生まれるでしょう。

登記費用の主な内訳は、登録免許税と司法書士への依頼費用の2つです。

登録免許税は、物件の固定資産税評価額に税率をかけて算出されます。なお、評価額は、購入価格とは必ずしも一致しません。

司法書士費用は、依頼内容によって金額に差がありますが、5万~10万円程度が一般的な相場です。

これらを合計すると、購入金額によっては20万円以上かかることもあります。登記費用は住宅ローンに含まれない場合が多いため、現金の準備が必要です。

登録免許税

中古マンションを購入する際の登記には、登録免許税がかかります。

これは国に納める税金で、所有権移転登記や抵当権設定登記の際にかかります。

登録免許税の金額は「固定資産税評価額」に所定の税率をかけて計算されます。一般的に売買による所有権移転登記は2.0%、抵当権設定登記は債権額に0.4%の税率が課されます。ただし、相続による土地の所有権移転など、一定の条件を満たせば軽減措置が適用されることもあります。

山下

登録免許税は登記費用の中でも大きな割合を占めるため、購入前にしっかり確認しておくことが大切です。

マンション登記の司法書士への依頼費用

登記手続きには専門的な知識が求められるため、通常、司法書士に依頼します。

司法書士は、国家資格を持つ法律の専門家で所有権移転や抵当権設定などの登記手続きを法律に基づいて適正に処理してくれます。

依頼費用の相場は、登記の内容や地域によって異なりますが、一般的には5~10万円程度です。また、複数の登記を同時に依頼する場合は、まとめた見積もりが出されることもあります。

山下

トラブルを防ぎ、確実に登記を完了させるためにも、信頼できる司法書士に依頼することが大切です。

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【セミナーの内容】

  • 築26年以上でも価値を保つ物件とは
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中古マンション購入時の登記費用シミュレーション

登記費用は物件価格によって大きく異なるため、目安を知っておくと安心です。ここでは物件価格ごとに、登録免許税と司法書士費用を含めた登記費用のシミュレーションを概算で紹介します。

実際の費用は固定資産税評価額や司法書士によって多少変わりますが、目安を知っておくだけでも無理のない資金計画が立てやすくなります。

購入前に具体的な金額イメージをつかんでおけば、手続きの際にも不安が少なくなるでしょう。

2,000万円の中古マンションを購入した場合

物件価格2,000万円の中古マンションを購入した場合の登記費用は以下のようにシミュレーションできます。

〇 所有権移転登記(登録免許税)
固定資産税評価額を1,800万円と仮定し、税率2.0%で計算すると、36万円。

〇 抵当権設定登記(登録免許税)
建物のみを担保にするケースを想定し評価額を1,500万円と仮定。税率0.4%で計算すると、6万。
※抵当権設定登記では、建物部分のみの評価額をもとに税額を算出するのが一般的です。

〇 司法書士報酬
6万〜10万円程度(依頼内容や地域により異なります)

〇 登記費用の合計:48万円〜52万円前後(最大で約56万円)

3,000万円の中古マンションを購入した場合

3,000万円の中古マンションを購入した場合の登記費用は、以下のようにシミュレーションできます。

〇 所有権移転登記(登録免許税)  
固定資産税評価額を2,700万円と仮定し、税率2.0%で計算すると、54万円。

〇 抵当権設定登記(登録免許税)  
建物のみを担保とするケースを想定し評価額を2,500万円と仮定。税率0.4%で計算すると、10万円。  
※抵当権設定登記では、建物部分のみの評価額をもとに税額を算出するのが一般的です。

〇 司法書士報酬  
6万〜10万円程度(依頼内容や地域によって異なります)

〇 登記費用の合計:70万円〜74万円前後(最大で約74万円)

山下

高額な物件では登記にかかる費用も大きくなります。資金計画の段階でしっかり確認して、事前準備をしておきましょう。

4,000万円の中古マンションを購入した場合

4,000万円の中古マンションを購入した場合の登記費用は、以下のようにシミュレーションできます。

〇 所有権移転登記(登録免許税)  
固定資産税評価額を3,600万円と仮定。税率2.0%で計算すると、72万円。

〇 抵当権設定登記(登録免許税)  
建物のみを担保とするケースを想定し、評価額を3,500万円と仮定。税率0.4%で計算すると、14万円。  
※抵当権設定登記では、建物部分のみの評価額をもとに税額を算出するのが一般的です。

〇 司法書士報酬  
6万〜10万円程度(依頼内容や地域により異なります)

〇 登記費用の合計:92万円〜96万円前後

山下

物件価格が上がると登記にかかる税額も増加します。総予算に登記費用もきちんと含めておくことが大切です。

5,000万円の中古マンションを購入した場合

5,000万円の中古マンションを購入した場合の登記費用は、以下のようにシミュレーションできます。

〇 所有権移転登記(登録免許税)  
固定資産税評価額を4,500万円と仮定。税率2.0%で計算すると、90万円。

〇 抵当権設定登記(登録免許税)  
建物のみを担保とするケースを想定し、評価額を4,500万円と仮定。税率0.4%で計算すると、18万円。

〇 司法書士報酬  
6万〜10万円程度(依頼内容や地域により異なります)

〇 登記費用の合計:114万円〜118万円前後

山下

高額な物件の場合、登記費用だけで100万円を超えるケースもあります。早い段階から登記費用も資金計画に組み入れておきましょう。

中古マンション購入時は登記費用以外にもさまざまな諸費用がある

中古マンションを購入する時には、登記費用以外にも多くの諸費用が発生します。例えば、売買契約時に支払う手付金や、不動産会社に支払う仲介手数料、さらに契約後に納める不動産取得税などです。これらは登記費用とは別に必要となるので、あらかじめ総額を見積もっておくといいでしょう。

物件価格だけに目を向けるのではなく、すべての費用を考慮した上で資金計画を立てておくと安心です。

ここでは特に注意しておきたい3つの費用について解説します。

手付金

手付金とは、不動産の売買契約を結ぶ際に、買主が売主に支払うお金のことです。これは契約成立の証として支払われ、通常は物件価格の5〜10%程度が相場です。例えば3,000万円の物件であれば、手付金は150万〜300万円程度となります。

契約後に物件を引き渡す段階で、手付金は売買代金の一部として充当されます。

山下

なお、契約を解除する場合には手付金が戻らないケースもあるため、事前に内容を確認して慎重に対応しましょう。

仲介手数料

仲介手数料は、不動産会社を通じて物件を購入した際に、仲介業務に対して支払う費用です。上限額は宅地建物取引業法で定められており、基本となる計算式は「(物件価格×3%)+6万円(税別)」です。

例えば3,000万円の物件であれば、仲介手数料の上限は96万円(税抜)となります。

この費用は物件引き渡し時に支払うのが一般的です。

山下

登記費用とは別にまとまった金額が必要になるため、あらかじめ資金計画に含めておきましょう。

不動産取得税

不動産取得税は、中古マンションを購入し所有権を取得した際に、一度だけ課税される地方税です。

税額は「固定資産税評価額×4%」の計算式を用いて算出します。ただし、住宅用の物件の場合には、軽減措置の適用を受けられることがあります。

例えば評価額2,000万円の場合、本来の計算では不動産取得税は80万円ですが、軽減措置により数十万円に抑えられるケースもあります。

山下

この税金は、購入後に自治体から納税通知書が届き納付するので、登記費用とは支払いのタイミングが異なる点に注意が必要です。

まとめ

中古マンションを購入する際は、物件価格だけでなく登記費用やその他の諸費用もしっかり把握しておくことが大切です。

例えば、所有者移転登記や抵当権設定登記には登録免許税がかかり、さらに司法書士への報酬も必要です。そのうえ、手付金や仲介手数料、不動産取得税なども含めて考えると登記費用以外に必要な出費も少なくありません。物件価格の5%〜8%程度を諸費用として見込んでおけば、資金計画にゆとりが生まれるでしょう。

登記費用を正しく見積もることは、資金計画のずれを防ぎ、スムーズに購入を進めるためにも大切なことです。登記や費用の詳細は専門的で複雑な部分があります。分かりづらい部分も多いため、信頼できる仲介会社のサポートを受けると安心でしょう。

スムナラでは、中古マンションの初期費用に関する情報から、登記手続きや諸費用の目安、総予算の立て方まで、専門知識を持つスタッフが丁寧にご案内します。

不安の少ない中古マンション選びをしたい方は、ぜひスムナラにご相談ください。

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