中古マンションをを購入する際、「資産価値の落ちない」ことを重視する方は多いでしょう。将来的に売却を検討している方はもちろん、現時点で売却を考えていない方も、ライフスタイルの変化などによって物件を手放す可能性は無視できません。売却するとなった時に、なるべく高い価値を保っておきたいですよね。
そこで今回は、埼玉県の「資産価値が落ちない街ランキング」に加えて、地価の動向と狙い目の街を紹介します。資産価値の見極めポイントと失敗しないためのコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。

宅地建物取引士(合格)
熊本大学を卒業後、不動産デベロッパーで勤務する傍ら、ライターとして活動している。不動産贈与、相続、売買、リフォームなど幅広いジャンルの執筆を行い、特に、不動産、金融系の分野を得意とする。「ロジカルでわかりやすい文章により情報を届け、人生が良い方向に進むきっかけをつくる」ことをモットーに掲げている。
本記事の内容は2025年9月26日時点の情報に基づいており、不動産市場の状況や関連法規、税制などは将来変更される可能性があります。最新の情報については、公式の情報源をご確認ください。
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【埼玉県】資産価値が落ちない街ランキングTOP5

直近10年間の地価公示価格をもとに作成した、埼玉県の「資産価値が落ちない街ランキング」を紹介します。地価公示価格とは、毎年1月1日時点における標準地1㎡あたりの正常な価格を示したもので、国土交通省によって、毎年3月に公表されています。
この記事で紹介するランキングは、各市町村の地価公示価格の「平均変動率順位」と「高価格順位」を集計した結果です。なお「平均変動率順位」は「地価上昇率(土地の価格が前年に比べてどのくらい上がったか)」の順位、「高価格順位」は「地価(土地の価格)」の順位データを使用しています。
このランキングは過去10年間の地価公示価格に基づく信頼性のあるデータですが、実際のマンション価格は築年数や管理状態などによって変動します。また、将来の価格を保証するものではありませんので、1つの指標として、お使いください。
1位 さいたま市浦和区|地価上昇率・地価とも県内トップの街
埼玉県における「資産価値の落ちない街ランキング」1位は、さいたま市浦和区です。
直近10年間の「地価上昇率ランキング」で、浦和区はトップ5に8回ランクインしています。これは、埼玉県の全市町村の中で最多です。「地価」も10年連続でトップで、埼玉県の中でも高い資産価値を保ち、安定して価値が上昇し続けている地域といえます。
新宿駅までJR湘南新宿ラインで約25分と、都内へのアクセスにも優れています。

文教地区としても知られ、充実した教育機関や治安の良さから、特にファミリー層に根強い人気を集める街です。
2位 さいたま市大宮区|地価・交通利便性ともに県内有数の街
2位は、さいたま市大宮区です。
「地価上昇率」では浦和区に次いで、トップ5に6回入っています。「地価」も10年連続でトップ5にランクイン、直近3年間は県内2位をキープしており、資産価値が上昇している街です。
大宮駅は、JR湘南新宿ライン特別快速で浦和駅のひとつ北側に位置する駅で、新宿まで約30分で到着します。新幹線の停車駅でもあり、交通利便性は県内随一です。



大宮駅やさいたま新都心駅周辺には大型商業施設が集積しており、生活利便性の高さでも人気があります。
3位 さいたま市中央区|地価の安定性と住環境のバランスが魅力の街
3位は、さいたま市中央区です。このエリアは、大宮区と浦和区の間という立地で、両エリアの利便性を享受できます。
直近10年間の「地価上昇率」では浦和区、大宮区に次いで、トップ5に5回ランクイン。「地価」は10年連続でトップ5にあり、2018年〜2022年には、県内2位と高い順位を保っていました。



浦和区、大宮区に次いで、安定して高い資産価値を維持している街です。
自然が多く、落ち着いた暮らしを望む人たちの支持が高い傾向があり、エリア内にある北与野駅、与野本町駅、南与野駅からは、JR埼京線で新宿駅まで乗り換えなしで、約30~40分と交通の利便性も良好です。
4位 さいたま市南区|安定した地価と再開発で注目される街
4位は、さいたま市南区です。名前のとおり、さいたま市の最も南に位置しています。
「地価上昇率」と「地価」は中央区と同様に、それぞれトップ5の常連で、それぞれ5回、10回ランクインしています。直近3年間(2023年~2025年)の上昇率は、落ち着いていますが、長期的にみれば安定して成長を続けているエリアです。
南区で特に注目されるのが、武蔵浦和駅周辺です。JR埼京線で新宿駅まで約25分、千葉方面へ繋がるJR武蔵野線も乗り入れており、交通利便性に優れています。



駅周辺では再開発が進み、高層マンションが建ち並ぶなど住環境は大きく変化しつつあり、ファミリー層からの人気も高まる街です。
5位 蕨市|東京都近接で利便性が高く、割安感もある街
5位は、蕨市です。さいたま市の南にあり、日本で一番面積が小さい市です。
「地価上昇率」は中央区、南区と並んでトップ5に5回ランクイン。「地価」は、7回トップ5に入りました。価値上昇は続いていますが、トップ5の他の地域に比べると、割安感が残る街といえます。
さいたま市と比較するとブランド力は、そこまで高くありませんが、東京都に近接しているため安定した需要が見込めます。



駅周辺に、生活利便施設がコンパクトにまとまっている生活のしやすさも人気です。
参考:国土交通省「地価・不動産鑑定」
参考:埼玉県企画財政部土地水政策課「埼玉の地価資料集 地価公示 昭和45年~(1970年~)」
埼玉県の地価動向と注目エリアの将来性


前述のランキングをもとに、埼玉県の地価の動向と、将来性を考察します。
さいたま市の地価が手堅い
「資産価値が落ちない街ランキング」から、さいたま市は地価が高く、上昇が続いている状態です。とくに、さいたま市にある9つの区のうち、大宮区、浦和区、中央区、南区など、中央~南部エリアには安定感があります



このエリアは、今後も資産価値が維持されると予測されます。
東京都に近接するエリアが勢いあり
さいたま市以外で地価が上昇しているのは、さいたま市の南側の東京都に近いエリアです。「資産価値が落ちない街ランキング」で5位にランクインした蕨市も、その代表といえるでしょう。



さいたま市に比べれば地価は高くありませんが、ここ数年の上昇は目覚ましく、勢いがあります。
参考:埼玉県企画財政部土地水政策課「埼玉の地価資料集 地価公示 昭和45年~(1970年~)」
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埼玉県内の狙い目&おすすめの街は?


これまでのランキングには入っていませんが、埼玉県には他にも今後の伸びが期待できるエリアがあります。なかでも、おすすめなのは、戸田市、川口市、和光市、朝霞市です。



いずれも東京都に近接し、近年の地価上昇率が高いエリアです。
戸田市
戸田市の「地価上昇率」は、埼玉県内で2023年1位、2024年2位、2025年1位と、常に上位を維持し成長を遂げている街です。
戸田市は、荒川を挟んで東京都板橋区に隣接しています。



JR埼京線が通り、都内へのアクセスに優れています。
川口市
川口市の「地価上昇率」は、埼玉県内で2023年2位、2024年3位、2025年3位で、戸田市に次いで注目の街です。
埼玉県のなかでは、さいたま市の次に人口が多く、商業施設が充実していて活気があります。



JR京浜東北線が通り、東京駅や品川駅まで乗り換えなしで移動できる交通利便性が魅力です。
和光市
和光市は、2018年と2019年に「地価上昇率」で1位となったエリアです。2025年の統計でも6位につけています。
和光市駅は東武東上線と東京メトロ副都心線の2路線が利用できます。



副都心線には、始発駅というメリットもあります。
朝霞市
朝霞市は「地価上昇率」が2024年4位、2025年5位と、成長中の街です。和光市と隣接し、東武東上線が通っています。



「地価」は和光市より低く、手の届きやすいエリアです。
街の資産価値を見極めるポイント


ここまで「地価」とその「上昇率」を中心に、埼玉県の資産価値が落ちない街のランキングを分析してきました。しかし、資産価値は地価だけで決まるものではありません。ここからは、地価とともに知っておきたい資産価値を見極めるポイントを紹介します。
地価と物件の両面で考える
街の資産価値を考える時は、地価だけでなく、流通している物件の価格も考慮して見極めることが大切です。
特に注目したいのが、リセールバリューです。これは、新築時の価格と比較して、中古市場でどれだけ価格が維持されているか、あるいは上昇しているかの指標で、資産価値を判断する重要な要素になります。



物件のリセールバリューには、物件の駅からの距離、間取りや広さ、眺望などが影響します。
管理状況をチェックする
同じ築年数のマンションでも、管理状況によって資産価値は変わってきます。例えば、築10〜20年の中古物件であっても、修繕履歴がきちんと残され管理組合の活動状況が健全であれば、価格が維持されやすい傾向にあります。



築年数という数字だけでなく、管理状況まで確認することが資産価値を見極めるポイントです。
将来的なニーズを考慮する
将来的なニーズが見込まれる街は、資産価値の上昇が期待できます。
新駅や新路線の開通、既存路線の延伸、相互乗り入れによって、交通利便性が向上する街、あるいは再開発によって生活環境の改善が見込まれる街は、注目すべきエリアといえるでしょう。
参考:埼玉県企画財政部土地水政策課「埼玉の地価資料集 地価公示 昭和45年~(1970年~)」
まとめ


埼玉県では、東京都に近い南部エリアに、地価や上昇率の高い街が多くなっています。資産価値が安定しているさいたま市の浦和区・大宮区・中央区・南区と蕨市に加えて、戸田市・川口市・和光市・朝霞市も、中古マンションを購入するには狙い目の街です。
資産価値の落ちない街を見極めるには、地価やエリアのブランド力に加えて、物件の状態や将来的な需要などを総合的に判断する必要があります。この見極めには、専門的な知識が欠かせません。
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