「築古=やめとけ」は誤解?中古マンションが“買い”になる条件とは

「このまま家賃を払い続けていいの?」と感じている方にこそ検討してほしいのが“中古マンション×リノベーション”という選択肢。新築よりもコストを抑えつつ、間取りも自由に設計できるのが魅力です。

とはいえ中古マンションの中でも「築古はやめとけ」といった声は多く、物件選びに不安を感じる方も多いはず。

そこで本記事では、築古マンションが“買い”になる条件や見極めポイント、購入を成功させる進め方までを分かりやすく解説します。
築年数だけで判断せず、後悔のない住まい選びをしたい方は必見です。

目次

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  • 市場は「大吉・中吉・凶」の三極化
  • 予算内で「中吉以上」を選ぶ方法
  • 築年・立地・管理の3視点で探す
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築古と築浅のボーダーライン|築20年は築浅に入る!

参照:国土交通省「マンションを取り巻く現状について

中古マンションは築年数によって“築浅”と“築古”に分けられますが、そもそもこれらの明確なラインはどこにあるのでしょうか。まずはじめにハッキリ言うと『築20年は築浅』に入ります。国土交通省のデータ(2021年末時点)によると、全国の分譲マンション686万戸のうち、もっとも多いのが「築20〜30年台」と、全体の約35%を占めています。

「築20年は古いかも?」と感じている方は、「流通も豊富」「選択肢が広い」という、買い手にとっての有利なゾーンであることを覚えておきましょう。対して築10年未満の物件は、ストック全体のわずか13%程度。いわゆる“築浅”物件は数が少なく、価格も高めに設定されている傾向があります。

希少な築浅を狙って選択肢を狭めるより、築20年〜30年台の“ボリュームゾーン”から状態の良い物件を選ぶ方が現実的で、賢い選び方とも言えます。よって築20年は『まだまだ長く住める』『売れる(手に入れやすい)』『リノベできる』という3拍子が揃う、“築浅寄り”といえます。

築古マンションのリスクと“買い”になるポイント

デメリット・リスク対処法・確認ポイント“買い判断”の目安
築年数が古いと耐震性が不安新耐震基準かどうか/耐震基準適合証明を取得新耐震基準+証明取得可能ならOK
配管の老朽化・水漏れリスクインスペクションで調査/リノベ時に交換専有部配管を交換できるなら問題なし
断熱性が低く、結露が出やすい断熱材の追加・内窓設置/現地での確認窓断熱・断熱リノベ対応可能であればカバーできる
住宅ローン控除が使えない可能性適合証明の取得・築年数要件を確認築25年超でも証明取得で控除対象にできる
修繕積立金が不足している可能性長期修繕計画・議事録・積立水準を確認今後の計画と積立水準に妥当性があれば大きな問題なし

「中古マンションは買うな」「築古物件は避けるべき」といった声を、ネットやSNSで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。築年数が経過した物件には見逃せないリスクやデメリットがあるのも事実ですが、それらすべてが購入を避ける理由になるわけではありません。

ここでは、「築古=やめとけ」と感じる主な理由を分解し、本当に注意すべきポイントはどこなのかを解説します。

修繕費・大規模修繕リスクへの不安

築年数が経過している物件では「修繕積立金が不足しているのでは?」「大規模修繕で大きな出費があるかもしれない」と、懸念が生まれます。そこでチェックしておきたいのは、大規模修繕の実績・計画や、修繕積立金の積み立て状況がわかる“重要事項調査報告書”です。
大規模修繕の7割は12〜15年程度の周期で実施されるため、これが済んだばかりであれば、長い間安心して住めるというメリットがあります。

重要事項調査報告書は、購入者が直接手に入れることが難しいので、仲介会社や施工会社に依頼する必要があります。

谷川

スムナラでは、本来であればサイト上での閲覧が難しい「重要事項調査報告書」を掲載(※)し、安心して物件を選んでいただけるようサポートしています。(※)主にPICK UP物件
簡単な会員登録をしていただくだけで、新着物件や最新情報がチェックできます♪セールスはありませんので、情報収集の一環としてぜひ、役立ててみてください。

設備・配管の老朽化

築30年を超えると、給排水管やガス管などといった“目に見えない設備”の劣化が進んでいるケースがあります。しかし、リノベーションを前提とするなら、専有部の配管類を新しいものにまるごと交換可能です。

古い配管のままそのまま住む前提で探すよりも、中古×リノベで設備を刷新したほうが安心・安全に暮らせるでしょう。

住宅ローン控除・耐震要件のハードル

中古マンションでは「築25年以内(耐火建築物)」でないと、住宅ローン控除を受けられないという制限があります。そのため「築26年以上は損」だと感じてしまう人も、少なくありません。

ですが、耐震性能を満たしていれば「耐震基準適合証明」を取得することで、築年数にかかわらず控除の対象になります。また、住宅ローンの審査も、金融機関ごとに審査基準が異なるため「築古=住宅ローンが通らない」というわけではありません。信頼できる不動産会社やリノベーション会社を通じて、複数の選択肢を比較検討しましょう。

谷川

築年数だけで“買う・買わない”を決めるのではなく、その物件が「住宅ローンに通る条件」を専門家と一緒に確認するのが、成功の近道ですね!

断熱・遮音など性能面の差

築年数が古い物件は、断熱性や遮音性の面で、劣化が感じやすい傾向があります。特に古い家によく取り付けられている“アルミサッシの単板ガラス”は、結露や冷暖房効率の低下の原因に…。

そこで、断熱材の追加をするといった“断熱リノベ”を施すことにより、大幅な住み心地の改善が期待できます。どの程度の心地良さなのかは、実際にリノベ済み物件の内覧会に参加し、体感するのがおすすめです。

谷川

スムナラで見つけた物件に対して、不動産仲介・設計・工事をワンストップで行うリノベーションサービス『ゼロリノベ』では、これから中古マンションを購入する方へのためになる情報や見学会を随時開催しています!詳細は下記からチェックいただけます。

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買ってよかった!実例で見る“築古×リノベ”の成功パターン

ここでは、築古×リノベをかしこく活用した実例を2つ紹介します。

構造を活かした可変性のある間取り

ゼロリノベのリノベーション施工事例

賢く紡いだ都市の家
リノベーション事例
CONCEPT

開放的な間取りに、回遊性を意識した造作収納が暮らしの中心。あたたかな光を取り入れ、家族の時間や好きなものがのびやかに交差する、成熟した住まいのスタイル。本や日用品が心地よく調和し、穏やかに流れる時間の中で、自分たちらしい生活を積み重ねていける空間です。

基本情報
建物タイプマンション
広さ53.48m²
築年月1979年03月
リノベ費用500万〜1000万円
工期3ヶ月
居住人数3人

※費用は引き渡し当時の金額です

谷川

築40年超のマンションでも、管理状態が良ければ長く安心して暮らせます。この事例では、構造を活かしながら間取りを一新し、可変性のある2LDKへ。古い配管を刷新し、断熱性能も高めるなど、築古リノベならではの「中身を新築以上にする」発想で再生しています。

築古を丁寧に活かした余白のある間取り

ゼロリノベのリノベーション施工事例

【社員宅】アペロタイムのある家
リノベーション事例
CONCEPT

休日の昼下がり、大切な人と一緒に軽食を楽しむアペロタイムを味わう家。広いリビングダイニングと対面する充実のキッチンは、たくさんの人をもてなすことができます。既存の個室を活用しつつ空間を再編集し、リビングの無垢フローリングが家族を包む、あたたかなお部屋ができました。

基本情報
建物タイプマンション
広さ82.06m²
築年月1979年03月
リノベ費用1000万〜1500万円
工期3.5ヶ月
居住人数3人

※費用は引き渡し当時の金額です

谷川

築46年を迎えるこのマンションは、「古さ」ではなく「ゆとりのある専有面積」を活かしたリノベーションが光ります。築古ならではの下地や構造を丁寧に活かしながら、無垢フローリングや開放的なキッチンなどを導入。築年数を価値に転じた、“余白ある贅沢”を叶えた好例です。

築浅vs築古×リノベ|コストと価値を4つの視点で比較

比較項目築浅(10年以内)築古×リノベ(20〜40年)
物件価格高い(相場安定)幅広い(割安物件あり)
初期コスト高い(価格・登記費用)抑えられるがリノベ費用あり
ローン控除基本適用可耐震証明で対応可能
資産性安定(残存価値重視)管理状態・立地次第
デザイン自由度少ない(完成物件)高い(自分好みに設計可)

物件価格

築10年以内の築浅物件は価格が安定して高いですが、築30年超えの物件は、立地や状態次第で価格に幅があります。ただし、物件価格だけでお得と捉えるのではなく“管理状態”や“修繕履歴”までを見た上で、トータルで価格を見極める力が必要です。

初期コスト

築浅物件は初期価格が高いこともあり、住宅ローンや登記関連の初期費用が高くつきやすいです。一方で築古×リノベでは物件価格が抑えられる分、設計施工費・諸費用・予備費を含めたトータルのコストで判断しましょう。そのなかでも、修繕積立金や管理費の水準は、築年数で変わるので要注意です。

ローン控除

築浅物件は住宅ローン控除の条件を満たしやすく、物件評価額も出やすい一方で、築古物件は築25年超だと原則として控除対象外にはなりますが、「耐震基準適合証明」取得で控除が可能です。さらに、長期優良化リノベといった“認定リノベーション”で、補助金や減税が狙えるケースもあるため、自治体などの情報は都度チェックしておきましょう。

資産性

物件の残存の耐用年数や、人気エリアであれば資産価値が安定するのが築浅マンション。築古マンションは築年数は経つものの、立地や管理状態がよければ将来の売却にも対応可能。

築古物件こそ「将来売れるか?」を逆算して選ぶのが鉄則です。

デザインの自由度

築浅物件は完成に近い状態に近い物件のため、リノベは部分的に行うことがほとんどでしょう。設備や配管類を刷新する必要がないケースが多いため、手を施すほどにコストは高くつきます。築古物件の場合、物件にかかる費用が抑えられる分、フルリノベで間取りはもちろんのこと、設備や断熱・防音、配管類と大きく自由に変化させられます。

→ゼロリノベ事例ページへリンク

失敗しない築古リノベの進め方

「やめとけ」と言われがちな築古マンションですが、正しい判断軸やステップを踏めば、豊かな住まいと暮らしが手に入ります。ここでは、築古マンションのリノベを成功させるために押さえておきたい、4つのポイントを解説します。

①“素材”探しの視点で物件を選ぶ

築古マンションでは、間取りや内装といった表面上だけの見た目で判断せずに、リノベで活かせる素材なのかを重要視しましょう。例えば構造(躯体)がしっかりしていたり、配管の位置変更がしやすかったり、風通し・採光が良好だったりなど…。
このようなポテンシャルを重視する視点で物件紹介を行うのがスムナラです。スムナラなら、購入後に「希望のリノベができない」といった失敗を防げる物件だけを取り揃えています。

②購入前の技術的・資金的なチェック

築古物件の購入前にチェックしておきたい成功のコツは、大きく分けて4つあります。それは「構造・耐震性」「配管の状態」「管理状態」「住宅ローン控除の適用可否」です。また。資金面では物件価格に加えてリノベ・諸費用と予備費をセットで試算することが大切です。

③設計・施工で「暮らしに合わせて変える」発想へ

築古マンションの魅力は、ゼロから自分たちの暮らしに合った空間を設計できること。

固定概念にとらわれない、柔軟な発想が心地よい住まいづくりにつながります。

  • 部屋数よりも“余白”を重視したワンルーム+αの間取り
  • 可動式収納やスライド扉で将来の変化に対応
  • 窓の位置を活かした明るさ・風通し設計
  • 天井を現しにして開放感を演出

このようにリノベーションを施すことで、築年数に縛られない“今と未来”の両方を大切にする住まいが手に入ります。

④将来の売却も視野に入れた出口戦略

築古マンションを購入する際は、「いま住む家」としてだけでなく、「いつか売る家」としての視点を持つことが大切です。築年数が進んでも資産価値を保ちやすいのは、立地・管理状態・眺望・日当たりといった“変えられない条件”が整っている物件です。
こうしたポテンシャルを持つ築古物件を選び、リノベーションで内装や設備を刷新すれば、購入時よりも価値を高められるケースもあります。

また、将来の住み替えや賃貸活用を視野に入れることで、ライフステージの変化にも柔軟に対応可能です。
「自分たちが心地よく暮らせる」だけでなく、「次の買い手にも選ばれる」デザインや間取りを意識することで、出口まで見据えた“持続する価値”のある住まいになります。

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よくある質問(FAQ)

“買うべきではない”物件の特徴は?

スムナラの調査によると、9割以上の購入者が“物件の管理状態”を重視していることがわかりました。特に注意したいポイントは次の通りです

  • 修繕積立金が極端に低い(将来的な値上げ・一時金請求の可能性あり)
  • 管理組合の運営状況が不透明(議事録が開示されていない/理事が固定化など)
  • 共用部が明らかに汚れている(掃除頻度が低い=住民の意識も低い傾向)
  • 過去の修繕履歴が不明/大規模修繕が行われていない

これらに当てはまる場合、築浅でも将来的なトラブルのリスクが高まるため、避けるのが無難です。

谷川

中古マンションにおいては築年数だけで判断せずに、先々でも安心して住めるかを判断する管理状態を重視しましょう。

中古マンション購入で後悔しないための事前準備は?

物件の情報収集だけでなく、事前に予算シミュレーションやFP(ファイナンシャルプランナー)相談をしておくことで、無理のない予算計画や住宅ローンや控除の適用条件の理解、将来的なライフプランまでを組み立てられます。

“将来的に売れるか”を見極めるポイントは?

今住むことだけでなく、将来的な資産性(=売りやすさ)を考慮して次のライフステージに備えることは、非常に重要です。将来的に売れるかを左右するポイントは、「エリア」「立地」「眺望」「管理状態」の4つです。これらに共通するのは『変えられない要素』であること。購入後にリノベをすれば変えられる間取りや設備に目が行きがちですが、この変えられない要素は資産性に直結する条件になります。「いま住みたい家」だけでなく「いつか売れる家」を選ぶことで、住み替えの選択肢も広がりますよ。

「築古=やめとけ」は誤解!中古マンションは条件次第で買いになる

築古物件は、魅力的な価格とは裏腹に「築古マンションはやめとけ」と、ネット上ではマイナスの情報が常に出回っています。しかし、中古マンションは築年数だけで良し悪しを判断してはいけません。
立地やエリア、眺望や管理状態といった“変えられない条件”を見極めることで、たとえ70点の物件であっても、リノベを施すことで100点以上の住まいになります。

そのキーポイントになるのは物件探し。
自分の価値観やライフスタイルを大切にし、住宅ローンに縛られることなく、趣味や旅行も諦めない心豊かな暮らしを求めるなら、中古物件専門の検索サイト『スムナラ』がおすすめです。
一級建築士と不動産投資家の監修による『この家で正解だった』と思える「本当に価値ある中古物件」を取り揃えていますので、情報収集の一環として、ぜひスムナラにアクセスしてみてください。

この記事の制作体制
  • 子育て・学習、エンタメからビジネスまで、幅広いジャンルの執筆をはじめとし、インタビューや取材も行っています。プライベートでは、建坪20坪あまりの小さな平屋に家族四人で暮らし始めたことで、住宅や暮らし方に興味を持ちました。心配りを大切にし、記事を見る方のギモンや、モヤモヤが解消できるような記事づくりに努めます。

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