マンションの機械式駐車場とは？仕組みや特徴、メリット・デメリットや「タワーパーキング」との違いを解説

2025年3月11日

マンションの機械式駐車場とは、限られた敷地でも多くの車を収容できる設備である。立体的に収納するため、土地を有効活用できる点が特徴だ。

この駐車場は、車を載せるパレットが上下左右に動き、指定の位置まで運んでくれる仕組みになっている。ボタン操作で自動的に車が出てくるため、狭いスペースでも駐車しやすい。

ただし、維持費がかかる点や車のサイズ制限がある点には注意が必要だ。特に大型車や車高の高いSUVは利用できないことが多い。購入前に、自分の車が問題なく駐車できるか確認することが大切である。

本記事では、マンションの機械式駐車場の仕組みや特徴、デメリットや「タワーパーキング」との違いを解説する。

マンションの機械式駐車場とは

マンションの機械式駐車場とは、車を専用の装置に乗せるだけで、自動で格納・取り出しができる駐車場のことだ。限られた敷地を有効活用できるため、都市部のマンションに多く採用されている。

機械式駐車場には主に「昇降式」「多段式」「ターンテーブル付き」などがある。昇降式は車を上下に動かして収納するタイプ、多段式は縦横に複数台を配置し、ターンテーブル付きは駐車しやすいよう車の向きを変える機能がある。

土地を広く使えないマンションには便利だが、定期的な点検が必要。耐用年数があり、修理や更新に費用がかかる点も考慮すべきだ。車高や車幅の制限があることも多いため、購入前に駐車可能か確認することが大切である。

メリット	デメリット
セキュリティに優れている駐車スペースが確保されやすい直射日光や雨風を防げる	出庫に時間がかかることがある車のサイズに制限がある維持費がかかる

マンションの機械式駐車場は、都市部の限られた敷地を有効活用するために導入されることが多い。特に、敷地が狭く地上に十分な駐車スペースを確保できないマンションで採用される傾向がある。

タワーマンションや高層マンションでは、駐車スペースを確保するために導入されることが一般的だ。また、土地価格が高いエリアでは、平面駐車場を確保するよりもコストを抑えられる場合がある。さらに、外部からの侵入を防ぎやすいため、防犯性を重視するマンションにも向いている。

ただし、機械の点検やメンテナンスが必要になるため、管理費が高くなることもある。車種によってはサイズ制限があるため、駐車できない場合もある。機械式駐車場があるマンションを選ぶ際は、事前に十分な確認が必要だろう。

マンションの機械式駐車場に似た言葉で「タワーパーキング」や「パレット式駐車場」がある。

「タワーパーキング」とは、機械を使って車を立体的に収納する駐車場である。マンションに設置されることが多く、限られた土地を有効活用できる点が特徴だ。エレベーターのように車を移動させ、空いているスペースに自動で格納する仕組みになっている。

「パレット式駐車場」とは、車を専用の台（パレット）に乗せ、上下左右に動かして収納するタイプの駐車場だ。限られたスペースを有効活用できるため、都市部のマンションに多い。

機械式駐車場と違って、固定された台に車を乗せるだけでよく、操作がシンプルで出庫までの時間が短いのも特徴だ。ただし、パレットのサイズが決まっているため、大型車は停められない可能性がある。マンション購入時には、駐車場の種類や車のサイズを確認し、利便性を見極めることが大切である。

マンションの機械式駐車場は、限られた敷地を有効活用できるため、都市部のマンションを購入する人に向いている。駐車場の確保が難しいエリアでも、機械式ならスペースを節約しながら複数台を収納できる利点がある。

また、雨風を防げるため、車の劣化を抑えたい人にも適している。屋外に比べて防犯面も強化されるため、車を大切にしたい人には安心だろう。さらに、平面駐車場よりも利用料金が抑えられる場合があり、コストを重視する人にも選ばれやすい。

一方で、出庫に時間がかかる点やメンテナンス費用が発生する点は理解しておきたい。特に、大型車や車高の高い車は利用できないこともあるため、事前に駐車可能なサイズを確認することが重要である。

車種に制限はある？

機械式駐車場には車種ごとの制限がある。高さや幅、重量の上限が決まっており、大きな車は入らないことが多い。特にSUVやワンボックスカーは要注意。契約前に駐車可能サイズを確認しておこう。

また、ミラーの畳み忘れや低い車高もトラブルのもと。管理会社に仕様書をもらい、実際に駐車する予定の車が対応しているかチェックすることが重要だ。

防犯面は大丈夫？

基本的には安全性は高い。入口ゲートやセンサーが設置され、外部からの侵入が難しい構造になっている。また、駐車中は車が地下や専用スペースに格納されるため、いたずらや盗難のリスクも低い。

ただし、管理が行き届いていないと問題が発生する。防犯カメラの設置状況や警備体制を確認しておきたい。特に、カードキーや暗証番号を使うタイプなら、より安心できる。

故障したらどうなる？

故障すると車を出し入れできなくなる。特に出勤前や外出時に動かなくなれば、大きなストレスだ。修理には数日かかることもあり、その間は別の駐車場を探す必要がある。

また、修理費用が高額になるケースもある。管理組合が負担する場合が多いが、積立金が不足すれば追加徴収の可能性もある。長期間使えないと、駐車場のない生活を強いられることになる。