受水槽とは、マンションに供給される水を一時的にためておく大きなタンクである。水道の水圧が不安定な場合でも、安定した水の供給を確保するために設置されることが多い。特に高層マンションでは、水道管の圧力だけでは上層階まで十分に水を送るのが難しいため、受水槽が重要な役割を果たす。
この設備があることで、水道トラブルの影響を受けにくくなるが、管理が不十分だと水質が劣化する可能性がある。そのため、定期的な清掃や点検が必要となる。
本記事では、受水槽の仕組みや特徴、デメリットや「貯水槽」との違いを解説する。
受水槽とは
受水槽とは、建物内に設置された大きなタンクで、水道局から送られてきた水を貯める役割を持つ。ここからポンプで各家庭へ送水する仕組みだ。特に高層マンションでは水圧が不足しやすく、安定供給には欠かせない。
しかし、受水槽を設置すると管理が必要になる。定期的な清掃や点検を怠ると、水質の悪化につながるからだ。購入を検討する際は、管理体制が整っているかを確認するとよい。受水槽が適切に管理されていれば、快適な水環境が保たれるだろう。
受水槽の特徴・メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
水圧が安定する 断水時も水を確保できる 水道管の負担を軽減できる | 清掃・管理が必要 維持費がかかる 設備スペースの確保が必要 |
受水槽はどんなマンションに使われている?
受水槽は、特に大規模なマンションや築年数の経った建物に多く設置されている。特に10階以上の高層マンションや建設時に水道の水圧が足りなかった建物に多い。受水槽を設けることで、安定した水の供給が可能になる。
また、築年数が古いマンションでは、当時の水道事情に合わせて受水槽が採用されているケースがある。一方で、最近のマンションでは、水道直結方式が主流になりつつある。これにより受水槽が不要となり、管理の手間やコストを削減できるのが利点だ。
受水槽があるマンションでは、定期的な清掃や点検が必要になる。そのため、維持費がかかる点も考慮すべきだろう。マンション購入時には受水槽の有無を確認し、管理状況を把握することが大切である。
受水槽と「貯水槽」や「高置水槽」の違い
受水槽に似た言葉で「高置水槽」や「貯水槽」がある。
「高置水槽」は、屋上に設置され、受水槽からくみ上げた水を自然に各戸へ供給する設備である。停電時でも水を使える利点があるが、設置スペースが必要で管理コストもかかる。最近はポンプのみで直接給水する「直結増圧方式」も増えている。物件選びでは、それぞれの特徴を理解し、管理状況も確認するべきだろう。
「貯水槽」とは、受水槽や高置水槽を含む総称だ。つまり、受水槽や高置水槽は貯水槽の一部であり、建物に水を供給する基点となる設備である。マンション選びでは、この設備の管理状況もチェックすべきだろう。
受水槽はこんな人におすすめ
受水槽は、「安定した水供給を求める人」や「高層階に住みたい人」に向いている。受水槽があれば、水道本管からの供給が途絶えても、一定時間は水を確保できる。災害時の備えとしても心強い。
また、高層階でも水圧が安定するため、シャワーの水圧が弱くなる心配が少ない。一方で、管理の手間や清掃費用がかかる点は理解しておきたい。水質管理がしっかりした物件を選べば、そのデメリットも軽減できる。快適な住環境を求めるなら、受水槽付きのマンションも検討する価値がある。
受水槽に関するよくある質問
- すべてのマンションにあるのか?
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建物の構造や給水方式により異なるため、すべてのマンションに受水槽が設置されているわけではない。
高層マンションや古い建物では設置されていることが多い。一方で、最近の低層マンションでは受水槽を使わず、水道管から直接供給する方式も増えている。
- 水質は安全か?
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管理が行き届いていれば問題ないが、手入れが不十分だと汚れや異臭の原因になる。マンション選びでは、この点を見極めることが重要だ。
まず、受水槽は定期的な清掃と水質検査が義務付けられている。管理が適切ならば、水道水と変わらない品質が保たれる。しかし、清掃頻度が低いとカビやサビが発生し、健康リスクにつながる恐れもある。
- マンション購入時に確認すべきことは?
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マンションを購入するなら「受水槽の管理状態」を確認しておこう。水は生活に欠かせないため、清潔に保たれているかが重要である。特に、古い受水槽は劣化している可能性が高いため、管理状況をしっかり確認するべきだろう。
チェックすべきポイントは「清掃や点検の頻度」「外観の劣化」「水質検査の実施状況」である。管理組合が適切に維持していれば問題ないが、ずさんな管理ではトラブルにつながる。購入前に管理体制を確認し、安全な水が使える環境かを見極めることが大切である。