メゾネットマンションとは、室内に階段があり、上下2層に分かれた住まいである。まるで戸建てのような構造で、上階に寝室、下階にリビングなど、空間をしっかり分けて使える点が魅力だ。音や生活の気配が上下で分かれるため、プライバシーを重視する人にも向いている。
本記事では、メゾネットマンションの仕組みや特徴、メリット・デメリットや「ロフト付きマンション」「テラスハウス」との違いを解説する。
メゾネットマンションとは
メゾネットマンションとは、ひとつの住戸に階段があり、上下2層に分かれている造りを指す。一般的なマンションとは異なり、戸建てのような感覚を味わえる点が魅力だ。リビングと寝室を階で分けられるため、生活にメリハリが生まれやすい。子どもがいる家庭や、在宅ワークと生活空間を分けたい人にも向いている。
上下階にまたがる構造ゆえ、足音や物音への配慮は必要だが、住まいに広がりを求める人にはぴったりだろう。天井が高く、開放感を演出しやすいのも特徴。上下移動があるためバリアフリー性には欠ける面もあるが、その分、個性的な住空間を望む人にとっては魅力的な選択肢になり得る。
メゾネットマンションの特徴・メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
上下で空間を分けられる 戸建てのような感覚を得られる 空間に開放感が生まれる | 階段が多く移動が大変 冷暖房の効きが悪い 掃除の手間が2倍になる |
メゾネットはどんなマンションに使われている?
メゾネットは、低層の分譲マンションや郊外の大規模マンションで見かけることが多い。最上階の一部や1〜2階を使ったプランも多く、上下階で生活空間を分けられる点が魅力。生活音が上下に分散しやすいため、子どもがいる家庭にも向く。
ただし、広めの間取りが必要なため、すべてのマンションにあるわけではなく、物件はやや限られる傾向にある。間取り図に「メゾネットタイプ」や「内階段あり」などの記載があれば、メゾネットである可能性が高い。
メゾネットマンションと「ロフト付きマンション」や「テラスハウス」の違い
メゾネットマンションに似た言葉で「ロフト付きマンション」や「テラスハウス」がある。
ロフト付きマンションとは、天井の高い一室の一部に設けられた簡易的な上部スペースがあるタイプ。天井は低めで、収納や寝床として使われるケースが多い。メゾネットは戸建てに近い暮らしを楽しめるのが特徴だが、ロフトはコンパクトな生活向き。広さや快適さを求めるならメゾネット、手軽さやコストを重視するならロフトが合っている。
テラスハウスは、1階と2階を専有しつつ隣家と壁を共有する長屋のような構造。建物全体が戸建て風に作られ、庭付き物件も多い。どちらも戸建て感覚を味わえる点は魅力だが、騒音や管理への考え方には差が出やすい。購入前に構造や管理形態をよく確認しておきたい。
メゾネットマンションはこんな人におすすめ
メゾネットマンションは、戸建て感覚で暮らしたい人に向いている。上下階に分かれた造りは、家族間で適度な距離感を保ちやすく、音のストレスも軽減されやすい。階段があるため、小さな子どもがいる家庭や、在宅ワークで空間を分けたい人にも適している。
上下の移動があるぶん、日常にメリハリがつきやすい。隣接住戸との接地面が少ない物件も多く、プライバシーを重視する人にもぴったり。マンションの利便性と戸建ての自由さを両立したい人にはうってつけだ。
メゾネットマンションに関するよくある質問
- 老後に住みにくくならない?
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老後の暮らしを考えるなら、メゾネットマンションは慎重に検討したほうがいい。階段の上り下りが欠かせない構造は、足腰が弱った際に大きな負担になりやすい。若いうちは気にならなくても、年齢を重ねるにつれて転倒のリスクは高まっていく。
段差が多いため、バリアフリーの観点でも室内の移動がしにくい面は否定できない。上下階で生活空間を分けられる快適さもあるが、それは体力があるうちに限られる。将来を見据えるなら、ワンフロアで完結する間取りのほうが安心感はある。
- 通常のマンションと管理費に差はある?
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通常のマンションに比べて、管理費が高くなる傾向がある。上下階を専有する構造のため、共用部分の面積が広がりやすく、そのぶん維持費が増えやすい。
さらに、室内階段の清掃や点検、特殊な構造による補修コストが加わる場合もある。ただし、建物全体の管理方針や設備内容によって変動するため、一概に高いとは断言できない。購入を検討する際は、管理費の内訳や他の住戸との比較をしっかり確認しておきたい。
- 売却するときに買い手が見つかりにくい?
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メゾネットマンションは売却時に買い手が見つかりにくい傾向がある。最大の理由は、階段のある間取りが万人にとって魅力的とは言いがたい点にある。子育て世帯や若い夫婦には好まれる一方で、高齢者や小さな子どもがいる家庭には敬遠されやすい。
階段の上り下りが負担になる、家具の配置が難しいなど、好みが分かれる特徴を持つ。不動産会社も成約まで時間がかかる可能性を見込むため、販売戦略も慎重に組まれる傾向がある。マンション購入時は、将来の売却も見すえた選択が重要になる。