専属専任媒介契約とは?メリット・デメリットとおすすめな人を解説

専属専任媒介契約とは、不動産会社に物件売却の仲介を依頼するために結ぶ媒介契約のひとつで、売却活動を1社に一任する契約です。

売主に対しては自分で見つけた買主との直接取引がNG、不動産会社に対しては売却活動の報告や不動産情報ネットワークシステムへの登録義務など、3つの媒介契約の中で最も厳しい条件が設けられています。

他の媒介契約との違いは、下表をご覧ください。

他の媒介契約との違い

専属専任媒介契約は制約が厳しい分、自分に適しているかどうかの判断を誤ると、売却活動を希望通りに進めることが出来なくなるので注意が必要です。

そこでこの記事では、

  • 専属専任媒介契約の特徴
  • 他の媒介契約との違い
  • 専属専任媒介契約のメリット
  • 専属専任媒介契約のデメリット
  • 専属専任媒介契約がおすすめのケース
  • 専属専任媒介契約をおすすめできないケース
  • おすすめの媒介契約一覧
  • 専属専任媒介契約で注意すべき不動産選びのポイント

について解説します。

最後まで読めば、ご自身に適している媒介契約が分かるはずです。満足いく売却にするために、ぜひ最後までチェックしてくださいね。

目次

1.専属専任媒介契約とは?特徴や他の媒介契約との違い

冒頭でもお伝えした通り、「専属専任媒介契約」は、物件の販売活動を1社に一任する契約です。

その他にも、以下のような特徴があります。

専属専任媒介契約の5つの特徴

これらの特徴は、他の媒介契約の内容と比較することで、より理解が深まります。

不動産会社に仲介を依頼する媒介契約には、「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。

3つの媒介契約の違いについては、下表を確認してください。

3つの媒介契約の違い

専属専任媒介契約は専任媒介の一部なので、「専任媒介」と「一般媒介」のふたつに大別されることもあります。一般媒介は複数の不動産会社に売却活動を依頼できるのに対し、専任媒介では1社のみです。

専属専任媒介契約と専任媒介契約の違いは、上の表で赤枠で囲っている以下3点です。

  • 自分で買主を見つけて直接取引の可否
  • レインズへの登録義務
  • 売主への業務報告義務

では、以下で専属専任媒介契約の特徴について詳しく説明していきます。

1-1.契約できる不動産会社は1社のみ

繰り返しになりますが、専属専任媒介契約で契約できる不動産会社は1社のみです。

契約できる不動産会社は1社のみ

売却活動を始めるにあたり、まずは不動産会社に物件の査定を依頼します。例えば、A、B、Cの3社に査定を依頼したとして、A社と専属専任媒介契約を結ぶ場合は、B、C社とは契約できません。

専属専任媒介契約を締結したにもかかわらず、売主が他社で売却を成立させた場合、契約違反で仲介手数料相当の違約金が発生する可能性があるので注意しましょう。

ひとつの会社に販売活動を一任することになるので、専属専任媒介契約では売却力のある会社の選択が重要なポイントになります。

1-2.買主との直接売買取引はNG

専属専任媒介契約では、売主が自分で買主を見つけ、直接売買契約を結ぶことはできません。

買主との直接売買取引はNG

例えば、親族や知り合いが物件を買ってくれることになった場合でも、不動産会社を介さずに個人間で取引することは契約違反にあたり、違約金が発生する可能性があります。

そのため、自分で買主を見つける可能性がある場合は、専属専任媒介契約を選ばないようにしましょう。

万が一、想定外に自分で売主を見つけた場合は、以下いずれかの対応をとることになります。

  • 買主との間に、不動産会社に仲介に入ってもらう(仲介手数料が発生)
  • 専属専任媒介契約期間が終了するのを待ってから契約(仲介手数料は不要)

1-3.5営業日以内のレインズ登録義務

専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社は契約日から5営業日以内にレインズへ物件情報を登録する義務があります。

5営業日以内のレインズ登録義務

「レインズ」とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するコンピューターネットワークシステムです。

「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の略で、不動産会社が不動産売買のために情報を登録・検索するためのインフラになっています。一般の人は、不動産情報を閲覧することはできません。

不動産流通標準情報システム

つまり、レインズに登録して物件情報が不動産業界に共有されることで、見込み顧客を増やし買主を見つけやすくなるのです。

専属専任媒介契約は、契約日から最も短い5営業日以内にレインズに登録されるため、スピーディに売却活動が進むことが期待できます。

1-4.1週間に1回以上の業務報告義務

専属専任媒介契約では、不動産会社は売主に対し、1週間に1回以上販売活動の報告をする義務があります。

1週間に1回以上の業務報告義務

基本的に、文書またはメールで報告が行われます。

報告されるのは、以下のような内容です。

  • レインズへの登録完了
  • 不動産サイトへの広告掲載状況
  • ホームページ上でのPV(ページビュー)数
  • 物件への問い合わせ状況や、内覧希望者の数、実際に内覧した人数
  • 見込み顧客の反応

専属専任媒介契約は、最も頻繁に活動報告をすることが義務付けられているので、状況が把握しやすいのと同時に、不動産会社が積極的に動いてくれることが期待できます。

2.専属専任媒介契約のメリット

専属専任媒介契約の特徴を踏まえた上で、そのメリットは以下の3点です。

  • 窓口が一本化される
  • 早く売れる傾向にある
  • 特典がつく場合がある

以下で詳しくご説明します。

2-1.窓口が一本化される

専属専任媒介契約を結ぶと、やりとりをする不動産会社が一社に絞られるので、売主の負担が軽減されます。

その理由は、以下3点です。

  • 不動産会社との連絡の数が減る
  • 購入希望者からの質問対応や内覧の日程調整が楽になる
  • 週に1回の活動報告により、売却の状況全体が把握できる

実際に売却活動が始まると、レインズや不動産サイトで物件を見た他の不動産会社からも連絡が入るようになります。内容は、購入希望者からの質問や、内覧の日程調整、鍵の受け渡しなどの問い合わせです。

この時、一般媒介契約のように複数の不動産会社に仲介を依頼していると、その分連絡の数が増えたり、各社から申し出のあった内覧の予定を調整する必要があります。

また、一般媒介契約は複数社がそれぞれに売却活動をしているのに加え、業務報告の義務がないため、売主から各社に問い合わせ、随時状況を管理する必要があります。

対して専属専任媒介契約は、契約した不動産会社が他の不動産会社との間に入り、窓口になってくれるため、やりとりの手間が減ります。

加えて、一社が売却活動の全体を把握しているので、状況が分かりやすいというメリットもあります。専属専任媒介契約では週に1回の業務報告が義務付けられているので、売主は現状をタイムリーに把握することができ、忙しい方でも少ない負担で売却できるのです。

2-2.早く売れる傾向にある

専属専任媒介契約では、売りにくい物件でも早く売れる傾向にあります。

その理由は、以下の3点です。

  • レインズへの登録義務がある
  • 不動産会社の積極性が高まる
  • 販売戦略が立てやすい

先述の通り、レインズに登録すると不動産業界全体に物件の情報が流れるので、効率的に見込み顧客を増やすことができます。専属専任媒介契約は契約から5日以内のレインズへの登録義務があるため、他の媒介契約より迅速に情報が広まり、売主が早く見つかりやすいです。

また、専属専任媒介契約の場合、不動産会社は3か月以内に買主を見つければ確実に仲介手数料を得ることができるため、積極的に売却活動を行います。

複数社が仲介する一般媒介契約だと、いくら担当者が力を入れても、広告費をかけて宣伝しても、他社が買主を決めてしまえば「タダ働き」です。確実に報酬が得られる専属専任媒介契約や専任媒介契約の物件と並んだ時に、限られた時間でどちらに力を注ぐかを考えれば、結果は明白でしょう。

専属専任媒介契約なら自己発見の直接取引も禁じられているため、専任媒介契約以上に報酬を得られる可能性は高まり、広告経費もかけやすくなります。不動産会社はより積極的に販売に取り組んでくれることでしょう。

さらに、ひとつの不動産会社が売却活動のすべてを把握しているため、見込み客の反応やサイトのPV数などを見ながら販売戦略を立てやすく、スムーズな売却につながるという利点もあります。

2-3.特典がつく場合がある

不動産会社によっては、専属専任媒介契約を締結すると以下のような特典を提供しているところもあります。

  • ハウスクリーニング
  • マンションの設備検査や保証、修理
  • 引っ越し費用の補助
  • 物件が売れなかった場合の買取保証
  • ギフトカード

1社に売却活動を一任する専属専任媒介契約だからこそ、成約に向けたサポートサービスが充実しています。

3.専属専任媒介契約のデメリット

専属専任媒介契約のデメリットは以下の2点です。

  • 不動産会社の売却力に大きく左右される
  • 「囲い込み」のリスクがある

以下で詳しくご説明します。

3-1.不動産会社の売却力に大きく左右される

1社に売却活動を一任する専属専任媒介契約においては、依頼する不動産会社の売却力が、売却活動の善し悪しを大きく左右するという注意点があります。

不動産会社の中には、賃貸がメインで不動産売買の実績が少ない会社もあります。また、営業担当者においても、全員がプロフェッショナルという訳ではなく、経験が浅かったり、売却活動への熱意が足りなかったりする場合も……。

専属専任媒介契約を結んだにもかかわらず、「週1回の売却活動報告がない!」といったケースも起こりうるので、不動産会社の見極めが非常に重要です。

3-2.「囲い込み」のリスクがある

専属専任媒介契約や専任媒介契約の場合、「囲い込み」と呼ばれる“意図的に他の不動産会社に物件を取り扱わせないようにする行為”のリスクがあります。

不動産会社が囲い込みを行う理由は、自社で売主と買主の双方の仲介を行うためです。これを「両手仲介」と言い、不動産会社は多くの仲介手数料を得ることができます。

一方、買主の仲介は別の不動産会社が行う場合は「片手仲介」と呼ばれます。

囲い込みのリスクがある

より多くの報酬を得たい不動産会社が行う囲い込みの手口は、以下のような内容です。

  • レインズに登録しない
  • 不動産サイトに掲載しない
  • 他の不動産会社から問い合わせがきても、「商談中」など理由をつけて断る

囲い込みをされると、当然見込み顧客へ紹介される機会が少なくなり、売主は希望通りの時期や値段で販売できなくなってしまいます。場合によっては、囲い込みをしている不動産会社から「売れないのは、価格のせい」と言われ、値引きしてしまうこともあります。

こうした事態を避けるためにも、売主は契約後、不動産会社の活動内容に注意を払うようにしましょう。

囲い込みをされていないかチェックするポイントは、以下の3点です。

囲い込みをされていないかチェックするポイント

不動産会社が囲い込みをして積極的な売却活動を行わなかった場合、以下の専属専任媒介契約書の約款に基づいて、売主から契約の解除をすることが可能です。

第16条 次のいずれかに該当する場合においては、甲は、専属専任媒介契約を解除することができます。

一 乙が専属専任媒介契約に係る業務について信義を旨とし誠実に遂行する義務に違反したとき。

二 乙が専属専任媒介契約に係る重要な事項について故意若しくは重過失により事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしたとき。

三 乙が宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をしたとき。

引用:宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款,国土交通省

このように、専属専任媒介契約において契約書の知識は非常に重要です。契約を交わす前には、「専属専任媒介契約書」について書かれたこちらの記事をご確認ください。

4.専属専任媒介契約がおすすめなケース

専属専任媒介契約をおすすめするのは、以下4つのケースです。

  • 信頼できる不動産会社に出会えた
  • 売れにくい物件である
  • 買主と直接取引の予定はない
  • できるだけ手間をかけたくない

以下で詳しくご説明します。

4-1.信頼できる不動産会社に出会えた

信頼できる不動産会社に巡り合えた場合は、専属専任媒介契約で売却活動に注力してもらいましょう。売主の利益を優先してくれる誠実な担当者であれば、専属専任媒介契約のメリットが最大限に発揮され、スピーディーに売却できるはずです。

逆に、信じて任せられる不動産会社や担当者がいない場合には、不動産会社選びのリスクを分散させるために一般媒介契約で3社ほどに仲介を依頼するのが妥当です。

信頼できる不動産会社の見極め方は、「7. 専属専任媒介契約では不動産会社選びに注意しよう」のを確認してください。

4-2.売れにくい物件である

以下に該当するような売れにくい物件には、専属専任媒介契約がおすすめです。

  • 駅から遠い
  • 周囲に買い物できる場所がない
  • 二世帯住宅
  • 旗竿地
  • 欠陥がある
  • 築古

なぜなら先述の通り、専属専任媒介契約は以下3つの理由から、物件が早く売れやすい傾向にあるからです。

  • レインズへの登録義務がある
  • 不動産会社の積極性が高まる
  • 販売戦略が立てやすい

エリアに需要があったり、物件自体に販売力がある場合は、複数の不動産会社に競争してもらうことで好条件で売却できるかもしれません。しかし、売れにくい物件の場合は、不動産会社の積極的な販売活動が必須のため、専属専任媒介契約が適しています。

4-3.買主と直接取引の予定はない

買主を自分で見つけ、直接取引をする予定がない人なら、「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」で並んだ場合に、専属専任媒介契約の方がメリットが大きいです。

なぜなら、専属専任媒介契約の方がレインズに早く登録され、売主への業務報告の頻度も高いからです。いずれも物件の早期売却に寄与するため、売主にとってうれしいポイントです。

ただし不動産会社によっては、専属専任媒介契約を避けようとするところもあります。売る自信がない、業務報告の頻度が高いことが負担、といったことが考えられますが、まずは不動産会社に理由を確認した上で、契約すべきかどうかを判断するようにしましょう。

4-4.できるだけ手間をかけたくない

専属専任媒介契約は売却活動の窓口が1社に絞られるため、見込み顧客からの問い合わせや内覧の申し込みなどに関して、複数の不動産会社とやり取りをする手間が省かれます。

また、売買活動の全貌を把握している不動産会社が、週に1回業務報告をしてくれるので、売主は複数社に問い合わせて状況を確認する必要もありません。

実際の売却活動の中では、買い付け(物件購入の意思表示)が何度も流れることもあり、不動産会社との連絡には想像以上に時間を割かれるものです。

売却活動にできるだけ時間や手間をかけたくない人や、売却物件が遠方にある場合は、専属専任媒介契約が適しています。

5.専属専任媒介契約をおすすめできないケース

専属専任媒介契約をおすすめできないのは、以下4つのケースです。

  • 1社に任せるのが不安
  • 人気エリア・物件である
  • 買主と直接取引の可能性がある
  • 自分で売却活動をコントロールしたい

以下で詳しくご説明します。

5-1.1社に任せるのが不安

必ずしも信頼できる不動産会社や営業担当者に巡り合えるとは限りません。不安や不信感のある不動産会社と専属専任媒介契約を結ぶのは避けましょう。

7.専属専任媒介契約では不動産会社選びに注意しよう」を元にチェックをしても、納得の1社が見つからない場合には、一般媒介契約がおすすめです。

一般媒介契約ならいくつの会社と契約しても問題ありませんが、2~3社に依頼するのが一般的です。会社を選ぶ際には、以下の観点から1社ずつ選ぶとバランスが良いでしょう。

  • 名が通っている大手会社
  • 地元で評判の会社
  • インターネット広告に注力している会社

複数社に依頼することで、不動産会社選びで失敗するリスクを軽減できます。

5-2.人気エリア・物件である

都内の駅近や、築浅物件、ブランドマンションなどの人気物件の場合、専属専任媒介契約で不動産会社を1社に絞ることはおすすめしません。

なぜなら、2社以上の不動産会社に競争してもらうことで、より良い条件で売却できる可能性があるからです。そのため、人気エリア・物件の場合は、一般媒介契約がおすすめです。

人気の物件なら、どの不動産会社にもすぐに購入希望の連絡が入ります。そうすれば、仲介を依頼している不動産会社の中から、一番条件が良いものを選ぶことができるのです。

先述の通り、不動産会社の売却力には差があるため、良い物件をどこまで好条件で売れるかどうかは担当者の腕にかかっています。売主は、2~3社の中から比較検討するのが良いでしょう。

一方、人気エリアや物件ではないのに一般媒介契約を結ぶと、不動産会社は販売活動に消極的になる可能性があります。なぜなら、売りづらい上に、注力しても他で契約が成立して報酬がゼロになるリスクがあるからです。

売却を成功させるためには、ご自身の物件に合った媒介契約を選択するようにしましょう。

5-3.買主と直接取引の可能性がある

専属専任媒介契約では、売主が自分で買主を見つけても直接取引をすることはできず、契約している不動産会社に仲介に入ってもらう必要があります。

結果的に仲介手数料が発生するので、せっかく自分で買主を見つけてもメリットがありません。

親族や知り合いなどと直接取引をする可能性がある場合は、専属専任媒介契約は避け、一般媒介契約や専任媒介契約を選択しましょう。

5-4.自分で売却活動をコントロールしたい

ご自身で戦略を練り、売却活動をコントロールしたい人には、専属専任媒介契約は適しません。

この場合は、複数の不動産会社に仲介を依頼し、動向を比較検討することができる一般媒介契約をおすすめします。

ただし先述の通り、実際に売却活動が始まると、不動産会社とやりとりする機会が増え、想像以上に時間がかかります。一般媒介契約の場合、各社の売却活動の内容は、売主から連絡をとって確認しなければならないケースが多いです。

そのため、ご自身で管理しようとする場合は、マメな対応が必要であることは念頭に置いておきましょう。

また、報酬がゼロになる可能性のある一般媒介契約において、不動産会社各社が売主の戦略通りの働きをしてくれるか……という点も、よく考える必要があります。

6.おすすめの媒介契約一覧

ここまでの内容を踏まえ、おすすめの媒介契約をまとめると下表の通りです。

おすすめの媒介契約一覧

ご覧の通り、どの観点から見ても無難なのは「専任媒介契約」です。不動産会社も、売主から特に指定がなければ、専任媒介契約を提案することが一般的です。

最も条件が厳しい「専属専任媒介契約」は、以下の場合におすすめです。

  • 不動産会社への信頼度が高い
  • 物件の人気度はあまり高くない
  • 売主買主間の直接取引の可能性は低い
  • 売却活動に手間をかけたくない

複数社に仲介を依頼する「一般媒介契約」は、以下の場合におすすめです。

  • 不動産会社への信頼度が低い
  • 物件の人気度が高い
  • 売主買主間の直接取引の可能性がある
  • 売却活動に手間がかかっても構わない

以上を踏まえて、ご自身に合っている方の契約形態を選びましょう。

7.専属専任媒介契約では不動産会社選びに注意しよう

売却活動を1社が行い、自己発見した買主との直接取引も禁止されている専属専任媒介契約では、不動産会社選びが非常に重要です。

口ばかりで売却力のない会社に頼んでしまうと、売却の機会を損失し、契約期間の3か月を棒に振ってしまう恐れがあります。

また、大手の不動産会社だからといって、必ずしも売主に有利に売却してくれるとは限らないのが難しいところ。囲い込みをしたり、最初の査定額から大幅に値下げをされたりするケースもあります。

では、不動産会社を選ぶ時には、何に注意したら良いのでしょうか?

そのポイントは、以下4つです。

  • 担当者が誠実
  • 同じタイプの物件売却実績が豊富
  • 売却価格とその根拠が明確
  • 仲介手数料が適正

以下で詳しくご説明します。

7-1.担当者が誠実

専属専任媒介契約の場合、売却活動の中心は営業担当者です。そのため、担当者がいかに真摯に向き合い、「売主ファースト」の対応をとってくれるかが肝になってきます。

そこで、契約を結ぶ前に以下の6点をチェックするようにしましょう。

担当者が誠実

ひとつでも満たしていない項目があれば、その点について担当者に質問することをおすすめします。

例えば、物件の写真を撮りもしない場合は「不動産サイトに写真をアップしないんですか?」、販売活動の内容について説明がなければ「どのような販売活動をする予定ですか?」と聞いてみましょう。

その回答に納得できるかどうかも、担当者の誠実さや売主との相性の判断材料になります。

7-2.同じタイプの物件売却実績が豊富

専属専任媒介契約を結ぶ場合は、自分の売却物件と似たタイプの売却実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。

一口に不動産会社と言っても、主力事業は賃貸や事業用、建物管理など様々です。事前に必ず会社の公式ホームページを見て、中古物件の仲介がメインの会社か、よく販売されているのは集合住宅か一戸建てかなどを見極めましょう。

売却実績を確認する方法は、主に以下3点です。

  • ホームページやパンフレットで公開されている実績をチェック
  • 該当エリアでの販売実績を担当者に確認
  • ホームページに記載されている宅地建物取引業の免許番号から、営業年数を確認

 ※免許番号に併記されている()の中の数字は、免許の更新回数(5年ごと)を示しています。例えば、  (1)なら営業年数は5年未満。(2)は5年~10年未満です。

営業年数については、必ずしも長ければ実績が豊富という訳ではありません。ただし、地元に長く根付いていることを示す根拠になり得るため、参考として確認しておくと良いでしょう。

7-3.売却価格とその根拠が明確

査定価格が良いからといって、その不動産会社が好条件で売却してくれるとは限りません。なぜなら、契約をした後に、「この価格では売れない」「エリア相場に合っていなかった」など理由をつけて金額を下げられてしまうことがあるからです。

最初の段階で、市場で売れる価格を教えてくれる不動産会社の方が信頼でき、その場合は理由も明確です。

査定前には不動産サイト(SUUMO、HOME’Sなど)を活用し、エリア相場や同じタイプの物件の売り出し価格をチェックしておきましょう。自身の物件で提示された売却価格とその理由が妥当かどうか、判断がつきやすくなります。

7-4.仲介手数料が適正

売買契約が成立した場合、仲介を依頼した不動産業者に報酬として支払う仲介手数料の金額には、宅地建物取引業法が定める上限があります。

その金額は以下の通りです。

仲介手数料が適正

例えば、マンションの一室を2,000万円で売却した場合、仲介手数料は最大で以下の金額になります。

(売却価格2,000万円 × 3% + 6万円)+ 消費税(10%)= 72万6,000円

成約すれば大きな金額を支払うことが分かりますが、一部の悪質な不動産会社はこれを「法律で支払いが決まっている金額」と誤った情報を伝えたり(定められているのは、あくまでも「上限」)、「広告宣伝費」「コンサルティング料」など名目をつけて上乗せした仲介手数料を提示したりします。

納得して契約するためにも、提示された査定額に対して仲介手数料が高額になっていないか、必ず確認するようにしましょう。

8.まとめ

いかがでしたか? 専属専任媒介契約について理解が深まり、ご自身の状況に合っているかが判断できたのではないでしょうか。

最後に、この記事の内容をまとめましょう。

◎どの観点から見ても無難なのは「専任媒介契約」。

不動産会社も、売主から特に指定がなければ、専任媒介契約を提案することが一般的です。

専任媒介契約

◎最も条件が厳しい「専属専任媒介契約」は、以下の場合におすすめ

  • 不動産会社への信頼度が高い
  • 物件の人気度はあまり高くない
  • 売主買主間の直接取引の可能性は低い
  • 売却活動に手間をかけたくない

◎複数社に仲介を依頼する「一般媒介契約」は、以下の場合におすすめ

  • 不動産会社への信頼度が低い
  • 物件の人気度が高い
  • 売主買主間の直接取引の可能性がある
  • 売却活動に手間がかかっても構わない

◎専属専任媒介契約の5つの特徴

  1. 契約できる不動産会社は1社のみ
  2. 買主との直接売買取引はNG(契約した不動産会社の仲介が必須)
  3. 不動産会社は、5営業日以内にレインズに登録する義務がある
  4. 不動産会社は、売主へ1週間に1回以上の業務報告義務がある
  5. 契約期間は3か月以内

◎専任媒介契約との違い

  • 専属専任媒介契約は、自己発見の直接取引がNG
  • レインズへの登録義務が、専属専任媒介契約は5営業日以内、専任媒介契約は7営業日以内
  • 売主への業務報告義務が、専属専任媒介契約は1週間に1回、専任媒介契約は2週間に1回

◎専属専任媒介契約のメリット

  • 窓口が一本化される
  • 早く売れる傾向にある
  • 特典がつく場合がある

◎専属専任媒介契約のデメリット

  • 不動産会社の売却力に大きく左右される
  • 「囲い込み」のリスクがある

◎専属専任媒介契約がおすすめのケース

  • 信頼できる不動産会社に出会えた
  • 売れにくい物件である
  • 買主と直接取引の予定はない
  • できるだけ手間をかけたくない

◎専属専任媒介契約をおすすめできないケース

  • 1社に任せるのが不安
  • 人気エリア・物件である
  • 買主と直接取引の可能性がある
  • 自分で売却活動をコントロールしたい

◎どの観点から見ても無難なのは「専任媒介契約」。

 誠実で信頼できる不動産会社に巡り合えたら「専属専任媒介契約」。

 売却を一任できる会社が見つからなかった場合や人気物件なら、「一般媒介契約」。

◎専属専任媒介契約で注意すべき不動産選びのポイント

  • 担当者が誠実
  • 同じタイプの物件売却実績が豊富
  • 売却価格とその根拠が明確
  • 仲介手数料が適正

以上です。

この記事を参考に、あなたの売却活動が希望通りに進むことを願っています。

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