マンション売却でペットが査定に与える影響と売り出す前の3つの対策

ペットと暮らす部屋の査定と売る前の3つの対策

「傷やにおいで売却価格が下がるのか」「売る前にリフォームが必要なのか」。
ペットを飼っていたマンションの売却では、価格への影響だけでなく、どこまで手を入れるべきかも悩むところです。

ペットを飼っていたからといって、マンションの売却価格が必ず下がるわけではありません。
傷やにおいがあっても、すべてを直してから売る必要があるとは限らないため、まずは必要な対策を見極めることが大切です。

この記事では、ペットの飼育が査定に与える影響と、売却前にできる3つの対策を紹介します。
買主への説明や内覧の準備も含め、売却前に確認しておきたいポイントを押さえましょう。

目次

ペットを飼っていたマンションが売却で不利になる理由

ペットを飼っていたマンションが売却で不利になる4つの理由

ペットを飼っていたからといって、必ず売却で不利になるわけではありません。
傷やにおいの状態、購入希望者の考え方によって、査定や売れやすさに影響する場合があります。

不利になる理由として考えられるのは、次の4つです。

  • 壁や床に傷や汚れがある
  • 室内にペットのにおいが残っている
  • 動物アレルギーなどを理由に購入を見送られる
  • ノミやダニの発生を懸念される

自分のマンションに当てはまるものがないか、確認してみましょう。

壁や床に傷や汚れがある

猫には爪とぎの習性があり、壁紙や柱、ドアの木部に傷がつきやすくなります。
犬の場合は、室内を走り回るときにフローリングを爪で削ったり、ドアをひっかいたりすることがあります。

軽い傷であれば、大がかりな補修は必要ないでしょう。
深い傷や広い範囲の傷は補修が必要と判断され、査定額に影響する場合があります。

粗相による尿のしみも同じです。
フローリングの内部まで染み込むと、表面を洗っても変色が残ることがあります。

室内にペットのにおいが残っている

ペットのにおいが染みつきやすいのは、壁紙やカーテン、カーペット、布張りのソファなどです。
飼い主は慣れていて気づきにくくても、内覧に訪れた購入希望者には気になることがあります。

掃除や換気でにおいが取れなければ、専門業者による消臭や壁紙の張り替えを検討しましょう。
消臭や壁紙の張り替えが必要なほどにおいが強い場合は、査定額が下がる可能性もあります。

動物アレルギーなどを理由に購入を見送られる

犬や猫のアレルギーがある人は、室内に残った毛やフケなどを心配して、ペットを飼っていた部屋を購入候補から外す場合があります。
動物が苦手な人にとっても、においや衛生面への不安が購入をためらう理由になるでしょう。

見た目をきれいに整えても、購入希望者の不安をすべて解消できるとは限りません。
ペットを飼っていた事実に加え、清掃や消臭を行った箇所を伝え、購入を判断してもらうことが大切です。

購入希望者が限られると、売却までに時間がかかり、状況によっては売出価格の見直しが必要になることもあります。

ノミやダニの発生を懸念される

犬や猫に付いたノミが室内に持ち込まれると、体から落ちた卵がカーペットや寝床などで育つことがあります。
また、ペットのフケやフードの食べこぼしは、室内のダニのエサになります。

ペットを飼っていた部屋では、清掃が行き届いているか、害虫が残っていないかを購入希望者が気にする場合もあるでしょう。

飼育していたからといって、必ずノミやダニが発生するわけではありません。
発生したことがある場合は、駆除や清掃の状況を不動産会社に伝えておきましょう。

ペットを飼っていたマンションを売る前の3つの対策

売る前の3つの対策。相談、清掃・消臭、補修の順番

売却前は、傷やにおいの状態を確認し、必要に応じて清掃や補修を進めましょう。
費用をかける前に不動産会社へ相談することも含め、3つの対策を紹介します。

対策1 傷やにおいについて不動産会社に相談する

査定を依頼するときに、傷のある場所や、においが気になる部屋を担当者に伝えましょう。

  • 壁紙や柱の爪あと
  • フローリングの傷や変色
  • 尿のしみが残っている場所
  • においを強く感じる部屋
  • ペット用の設備を取り付けた跡

飼い主はにおいに慣れてしまい、自分では気づきにくくなります。
家族以外の人に一度入ってもらうと、判断しやすくなるでしょう。

先に伝えておけば、補修や清掃が必要かを担当者と相談できます。

対策2 掃除や消臭で室内のにおいに対処する

においは、部屋に入った瞬間の印象を左右します。
費用をかけずにできることから順に試しましょう。

  1. 窓を開けて空気を入れ替える
  2. ペットのトイレまわりを洗って乾かす
  3. カーテンやクッションカバーなど、洗える布製品は洗濯する
  4. ケージは拭き掃除をして、時間があれば水洗いする
  5. 無香料の消臭スプレーを、ソファやカーペットにも使う

においが染みついたカーテンやカーペットは、洗っても落ちなければ処分も検討しましょう。
ケージやトイレ、おもちゃは、内覧の前に目につかない場所へ片づけておきます。

自分で落としきれない汚れやにおいは、ハウスクリーニングを依頼する方法があります。
においが壁や建材の奥まで染み込んでいる場合は、オゾン脱臭機などを使う専門の消臭サービスという方法もあるでしょう。

費用は部屋の広さと作業の範囲によって変わります。
複数の業者から見積もりを取り、内容と金額を比べましょう。

対策3 目立つ傷は補修を検討する

壁紙や床に目立つ傷がある場合は、部分的な補修を検討しましょう。
浅い傷なら、ホームセンターで買える補修キットで目立たなくできます。
傷が深い場合や広い範囲にある場合は、補修業者に見積もりを依頼します。

スムナラ編集部

ただし、補修にかけた費用を売却価格で回収できるとは限りません。
工事を依頼する前に、不動産会社へ補修が必要か相談してください。

相談するときは、補修した場合に売却価格がどの程度上がりそうかを聞き、見積もりの金額と比べます。
費用のほうが大きければ、補修せずに売り出す選択もあります。

売却前のリフォームについては、「マンションを売却する前にリフォームしてから売るのはおすすめできない」もあわせてご覧ください。

室内の状態進め方
においも傷もほとんどない通常どおり売り出す
においが残っている換気と清掃を先に試す
一部に目立つ傷がある見積もりを取って比べる
広い範囲が傷んでいる補修せず価格で調整する選択も

売却まで住み続ける場合は、日頃の清掃を続けましょう。
ペットがよく通る場所に床材に合った保護マットを敷くなど、傷やにおいを増やさない工夫もしておくと安心です。

ペットを飼っていたマンションを売却するときの注意点

管理規約で確認することと、不動産会社に伝えること

ペットを飼っていたマンションでは、売主が伝える情報が買主の判断を左右します。
飼育が認められているかどうかと、実際に飼っていた事実は、どちらも購入を決める前に知りたい内容です。

伝え忘れたまま引き渡すと、買主との行き違いにつながります。
売り出す前に、管理規約の確認と不動産会社への共有を済ませておきましょう。

管理規約でペットの飼育条件を確認する

売り出す前に、マンションの管理規約や使用細則を確認しましょう。
購入を検討する人がまず知りたいのは、そのマンションでペットを飼えるかどうかです。

確認する項目見るところ
飼育の可否認められているかどうか
頭数と種類何をどれだけ飼えるか
大きさの制限体重や体高の上限
共用部のルール抱きかかえの要否と使えない設備

国土交通省の調査では、使用細則を定めている管理組合のうち70.5%が、ペットの飼育について決まりを設けていました。
手元に細則がなければ、管理会社や管理組合に問い合わせれば確認できます。

ペット不可だった場合は飼っていた事実を不動産会社に伝える

飼育が認められていない物件で飼っていた場合も、売却できなくなるわけではありません。
売却を依頼する不動産会社の担当者に、まず事実を伝えてください。

引き渡し後に同じマンションの住人などから飼育の事実が買主に伝わると、「聞いていた話と違う」と指摘されることがあります。

スムナラ編集部

買主にどこまで何を伝えるか、書面にどう記載するかは、担当者と相談しながら決めましょう。

残っている傷やにおいを買主に説明する

室内に残っている傷やにおいは、不動産会社を通じて買主に伝えましょう。
補修した箇所がある場合は、作業内容や補修後の状態も担当者に共有しておくと、説明がしやすくなります。

補修すること自体に問題はありません。
問題になるのは、不具合を隠したまま引き渡すことです。
伝えるべき内容と書面の書き方は、不動産会社に確認してください。

ペットと暮らしながら内覧を迎える準備

ペットと暮らしながら内覧を迎える準備の4つ

売り出してからも、ペットとの生活は続きます。
内覧に向けて、次の4つを準備しましょう。

  • ペットを飼っていることを内覧前に伝える
  • 室内を掃除して換気する
  • 内覧中のペットの居場所を決める
  • ペット用の設備や周辺環境を紹介する

ペットを飼っていることを内覧前に伝える

内覧を担当する不動産会社に、ペットの種類や頭数を伝え、購入希望者にも事前に知らせてもらいましょう。
次の内容を共有しておくと、案内の仕方を相談できます。

  • 飼っている種類と頭数
  • 傷やにおいが残っている場所
  • 使用細則で決まっている飼育のルール
  • 内覧中にペットをどこに移すか

室内を掃除して換気する

内覧の前には窓を開けて空気を入れ替えておきます。
トイレまわりの掃除と、ケージやおもちゃの片づけも、当日の朝に済ませておくと安心です。

スムナラ編集部

強い香りの消臭剤は避けたほうが無難でしょう。
においを隠したのではないかという印象につながることがあります。

内覧中のペットの居場所を決める

内覧の間は、家族に散歩をお願いするなどして外に出しておく方法が一般的です。
見慣れない人が入ることで、ペットが落ち着かなくなる場合もあります。

外出が難しければ、ケージごと別の部屋に移す方法もあります。
どちらにするかは、内覧の時間帯とあわせて事前に決めておきましょう。

ペット用の設備や周辺環境を紹介する

マンション選びで「ペット可」の優先度を尋ねた円グラフ。最優先で考えていたが約52%で最も多い
出典:スムナラ

ペットを飼う予定の買主には、飼える条件や設備を伝えましょう。

  • 使用細則で認められている飼育の条件
  • 建物に備わっている設備(足洗い場やペット専用エレベーターなど)
  • 近隣の動物病院やドッグランの有無

飼うことを前提に設計されたマンションは「ペット共生型」と呼ばれ、足洗い場やドッグラン、傷がつきにくい床材などが備わっていることがあります。

スムナラでは、ペット可の中古マンションを購入した104人にアンケートを実施しました。
マンションを選ぶときにペット可の優先度は高かったかという質問に、約52%が「最優先で考えていた」と回答しています。

飼える条件や設備は、こうした買主が物件を選ぶときの材料になります。

※ペット可の中古マンションを購入した104人への調査(2025年1月29日〜2月28日・インターネット調査)の結果です。
買主全体の傾向を示すものではありません。

売却が進まないときに見直すポイント

自分の部屋と近隣の売出物件の売出価格を比べる図

売却が進まないときは、不動産会社に問い合わせ件数と内覧件数、内覧した人の感想や購入を見送った理由を聞きましょう。
どこでつまずいているかによって、見直す場所が変わります。

問い合わせと内覧の状況見直すところ
問い合わせが少ない売出価格と掲載内容
内覧はあるが決まらない室内の状態と案内の仕方

専任媒介契約を結んでいる場合は、2週間に1回以上の業務報告が決められています。
不動産会社から報告を受けたら、売出価格や掲載写真、室内の状態について、改善できる点を相談しましょう。

価格を見直す際は、同じマンション内や近隣の売出物件との比較が参考になります。
広さや階数、室内の状態の違いも踏まえて、担当者に意見を聞いてみてください。

ペット以外に査定で見られる項目

ペット以外に査定で見られる5つの項目

査定額は、ペットがつけた傷やにおいだけで決まるわけではありません。
次の項目は、飼育の有無にかかわらず確認されます。

項目見られる点
築年数建物の経過年数と設備の更新状況
立地駅からの距離と周辺の環境
階数階数と日当たり
間取りと向き部屋数と方角
管理状況共用部の手入れと修繕積立金

査定を受けるときは、傷やにおいが評価に影響しているか、担当者に聞いておきましょう。

まとめ:ペットを飼っていたマンションの売却は傷やにおいの確認から始めよう

ソファに座ってペットをなでる飼い主のイラスト

ペットを飼っていたという事実だけで、マンションの査定額が一律に下がるわけではありません。
壁や床に残った傷や、室内に染みついたにおいは、査定や買主の購入判断に影響する場合があります。

売り出す前にやることは3つです。

  • 傷やにおいについて不動産会社に相談する
  • 掃除や消臭で室内のにおいに対処する
  • 目立つ傷は補修を検討する

清掃や補修に費用をかける前に、まずはマンションの査定から始めることをおすすめします。
傷やにおいの状態を担当者と共有できれば、直すべき場所と直さなくてよい場所が見えてくるはずです。

ペットと過ごした時間が、部屋の価値を下げるわけではありません。
できることから整えて、次の住まいへ進みましょう。

参考資料

※本記事の内容は2026年9月18日時点の情報に基づいており、不動産市場の状況や関連法規は将来変更される可能性があります。
最新の情報については、公式の情報源をご確認ください。

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