住宅価格が高騰する今、中古マンションは一般的な選択肢として定着してきました。とはいえ、中古マンションの相場がわからないと、損をしたり後悔したりしないか不安になるものです。
この記事では、2025年の最新データをもとに、リアルな中古マンション相場と、後悔しない選び方のヒントをわかりやすく整理しました。中古マンション選びに迷った際の参考にしてください。

宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
元不動産営業のWEBライター。不動産会社で店長や営業部長として12年間勤務し、売買仲介・賃貸仲介・新築戸建販売・賃貸管理・売却査定等、あらゆる業務に精通。その後、不動産Webライターとして大手メディアや不動産会社のオウンドメディアで、住まいや不動産投資に関する記事を多く提供している。不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。
本記事の内容は2025年7月23日時点の情報に基づいており、不動産市場の状況や関連法規、税制などは将来変更される可能性があります。最新の情報については、公式の情報源をご確認ください。
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【2025年最新】首都圏・東京23区の中古マンション相場

まずは、2025年最新の首都圏・東京23区の中古マンション相場と、今後の傾向をチェックしましょう。
首都圏・東京23区の中古マンションの価格相場
首都圏・東京23区の2025年5月の中古マンション価格相場は次のとおりです。
【2025年5月の首都圏と23区中古マンション相場】
2025年5月 | 参考)過去の㎡単価 | |||||||
㎡単価 (万円) | 前年比 (%) | 2025年 4月 (万円) | 2025年 3月 (万円) | 2025年 2月 (万円) | 2025年 1月 (万円) | 2024年 12月 (万円) | 2024年 11月 (万円) | |
首都圏 | 84.06 | 10.2 | 81.11 | 79.01 | 79.14 | 81.88 | 78.05 | 79.41 |
都心3区 (千代田区、中央区、港区) | 240.93 | 32 | 224.22 | 214.68 | 209.93 | 219.06 | 202.54 | 193.41 |
城東地区 (台東区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、足立区、荒川区) | 94.97 | 11.5 | 91.30 | 89.80 | 91.15 | 91.53 | 90.55 | 90.92 |
城南地区 (品川区、大田区、目黒区、世田谷区) | 108.61 | ▲1.5 | 124.34 | 118.34 | 114.95 | 117.00 | 116.33 | 115.63 |
城西地区 (新宿区、渋谷区、杉並区、中野区) | 158.51 | 15.7 | 142.76 | 133.83 | 134.36 | 136.31 | 125.75 | 137.49 |
城北地区 (文京区、豊島区、北区、板橋区、練馬区) | 97.25 | 3.1 | 94.21 | 98.52 | 95.67 | 98.58 | 96.59 | 94.03 |
2025年5月の時点で、首都圏全体の中古マンション価格の㎡単価は84.06万円でした。前年比と比較して10.2%上昇しています。23区内でもっとも㎡単価が高いエリアは都心3区(千代田区、中央区、港区)で、240.93万円でした。前年比32%もの大幅なアップです。
一方で、城南地区(品川区、大田区、目黒区、世田谷区)の中古マンション相場は、前年比1.5%ダウンしています。

ただし、それ以外のエリアでは軒並み価格は上昇しており、中古マンションの需要の高さがうかがえます。
中古マンションの市場動向と今後の傾向
首都圏の中古マンション市場は供給不足が続き、在庫件数は13カ月連続の減少になりました。その影響を受け、売り物件の価格は高めに推移しています。実際に売買が成立した物件の成約㎡単価は、2020年5月から61カ月連続で前年同月を上回り、 成約件数も堅調に推移しています。
新築マンション価格も高騰中です。供給の減少などが影響し、東京23区では、2023年時点で平均価格が1億円を突破しています。その結果、中古マンションとの価格差がさらに拡大し、相対的に中古マンションが注目される状況となっています。
金利の上昇や円安が影響して、中古マンションの価格は今後も上昇が続くと予想されています。



郊外エリアでは需要が鈍化して価格が下落する可能性も残っていますが都心部では海外投資家の需要が根強く、今後もしばらくは価格の高騰が避けられないでしょう。
エリア別相場傾向


首都圏の中古マンションは、エリアごとに相場の傾向が異なります。中心エリア・中堅エリア・郊外エリアそれぞれの特徴を理解して、希望条件に合うエリア選びの参考にしてください。
中心地(千代田区・港区・渋谷区)の傾向
中心地エリアの中古マンション価格は、値上がりを続けています。千代田区や港区では中古マンションの平均価格が1億円を超え、前年比20~30%の上昇をみせる物件も珍しくありません。
価格の高騰が続く背景には、居住用としての需要の増加だけではなく、富裕層や海外投資家による資産目的の購入の増加が影響しています。需要が増加しているうえ供給数も限られるため、今後もしばらく高値水準が続く見通しです。



資産価値やブランド性を重視する層にとっては、引き続き注目度の高いエリアといえるでしょう。
中堅(文京区・世田谷区・中野区・杉並区)の傾向
中堅エリアの中古マンション価格は、価格はゆるやかに上昇しています。東日本不動産流通機構が公開している2025年5月のデータでは、都心3区(千代田区、中央区、港区)以外でも、前年比で成約単価が10%〜15%上昇しているエリアもあります。
中堅エリアは駅近や再開発地区に人気があり、ファミリー層の需要も根強い傾向にあります。また、物件数が多く、条件に合う中古マンションが見つかりやすいエリアです。



今後も安定して価格が上昇すると見込まれ、資産性と住みやすさのバランスを重視する人にとって、安心して検討できる地域の1つです。
郊外(埼玉県・千葉県・多摩市)の傾向
郊外エリアの中古マンションの価格上昇が落ち着きつつあり、購入を検討しやすいタイミングといえます。
東日本不動産流通機構が公開している2025年5月のデータによると、埼玉県の成約㎡単価は42.10万円で前年比マイナス2.5%、千葉県は39.95万円で前年比プラス2.2%、多摩市は53.93 万円で前年比プラス 1.6%と、これらの地域では成約単価が、前年と比べてマイナスや横ばいの状態で推移しています。
つまり、郊外エリアは中古マンションの価格が落ち着き始め、購入しやすい状況となっています。都心へのアクセスが良い沿線や再開発エリアは、依然として需要が高い傾向は続いていますが、築年数の古い物件や利便性の低い地域では適正価格への調整が進むと予想されます。



コストを重視しつつ広さを求める方に、適したエリアといえるでしょう。
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プロが現場で見極める4つのポイント
【セミナーの内容】
- 築26年以上でも価値を保つ物件とは
- 耐震性・寿命・建て替えリスク
- 信頼できる不動産会社の見分け方
- 掘り出し物件の探し方
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- 後悔しない買い時を判断できる
築年数別の価格傾向


中古マンションの価格は、築年数によって大きく異なります。あらかじめ築年数ごとの特徴を理解しておくと、購入する際の参考になります。
築浅(10年以内)
築浅(10年以内)のマンションは、新築に近い価格帯で取引されています。建物や設備が新しく、管理状態も良好な物件が多いため、補修やリノベーションを必要とせず快適な生活を始められる点が魅力です。
新築よりも価格がやや抑えられるので「新築マンションを購入したいが予算を抑えたい」という方に人気があります。ただし、築浅物件は需要が高く、価格が下がりにくい傾向があります。



同じような条件の新築マンションと立地や設備面などを、慎重に比較したうえで、総合的に判断することが大切です。
築20〜30年
築20年〜30年のマンションは価格が落ち着き、リノベーションを前提とする物件が多いのが特徴です。新築や築浅マンションと比べて価格は6割程度まで下がるので、広さや立地にこだわりたい人にもおすすめです。
特に、大規模修繕や設備の更新が進んでいる物件であれば、安心して長く住み続けられるでしょう。



購入後に自分好みにリフォームすれば、コストを抑えつつ快適な住まいが実現できます。
築40年以上
築40年以上のマンションは価格が大きく下がる傾向があり、戸数も多いため手頃な予算で購入しやすい物件も増えます。ただし、旧耐震基準の物件が多いので、耐震性や管理体制のチェックは欠かせません。また、修繕積立金が高くなりやすいのにも注意が必要です。エリアによっては、将来的に売却の難易度も上がる傾向にあります。
築40年以上の中古マンションを購入する場合には、管理組合の運営状況や修繕計画を事前に確認する必要がありますが、築40年以上でも、立地や管理が良好な物件であれば、築年数が古くても資産性を維持しやすいケースも十分あります。
このように、立地や管理状況、資産性を重視して慎重に選べば、中古マンションでも新築に負けない価値を得ることが可能です。



そのためには、信頼できる情報とサポートが欠かせません。
安心できる中古マンションの選び方


中古マンション選びには、築年数や価格だけでなく、管理状態や将来性を見極める視点も必要です。ここでは、長く安心して住める物件選びのポイントを3つ紹介します。
築年×管理状態で安心感を判断する
後悔しない中古マンションを購入するためには、築年数と管理状態を「掛け算する」視点が大切です。表面的な築年数だけでなく、管理組合の運営状況や大規模修繕の履歴・計画も確認すれば、安心できる中古マンションを見極められます。例えば、築30年でも計画的な修繕が実施されているマンションであれば、管理が不十分な築浅マンションよりも、安心して住める場合もあります。
具体的には、購入前に「重要事項調査報告書」を確認し、修繕履歴や今後の計画、積立金の残高などを把握しましょう。
重要事項調査報告書とは、分譲マンションの売買時に管理会社が発行する書類で、マンション全体の管理状況や財政状態、修繕計画など、購入や売却の判断に直結する重要な情報がまとめられています。



管理状態が良い中古マンションは資産価値が維持されやすく、長く安心して住み続けられるでしょう。




「価格だけ」ではなく「将来価値」で選ぶ
中古マンションを選ぶ場合、「目の前の価格」だけに、目を向けてしまいがちです。しかし、価格が安いからというだけで選ぶと、後悔するケースもあります。価格だけではなく10年後・20年後も住みやすく、価値を保てるかという「将来価値」に注目することも、後悔のない選択には欠かせません。
相場より安い物件には、借地権付き物件や管理不全、将来的な修繕費の増額など、将来のリスクが潜んでいる恐れがあります。借地権付き物件とは、土地の所有権は地主が持ったまま、土地を借りる権利(借地権)と建物の所有権をセットで購入する物件のことです。
将来価値が高い物件には、以下のような特徴があります。
- 交通アクセスやスーパー・病院などへの立地条件が優れている
- 3LDKなどファミリー層に人気の間取りや地域のニーズに合った間取りである
- 大規模修繕や日常管理が適切に行われている
- 修繕積立金の残高や管理組合の活動状況が良好である



将来にわたって安心して住めるかどうかという視点を持つことが、安心できる中古マンション選びのポイントです。
リノベーション可能性で選ぶ
リノベーションができる物件を選ぶことも、中古マンションの重要な目利きポイントです。物件の構造や管理規約を事前に確認し、希望するリノベーションが可能かどうかを見極めましょう。


例えば、ラーメン構造のマンションは間取り変更の自由度が高く、大きなレイアウト変更も可能です。中古マンションのなかには、床材について遮音性の基準が決められていたり、キッチンや浴室など水回りの移動を禁止していたりする物件もあります。また、電気・ガスの容量や、過去のリフォーム履歴も、スムーズなリノベーションのために、確認しておきましょう。
マンションの管理規約は不動産会社の担当者に入手してもらうことができます。リノベーションを前提に物件を探す方は、必ず内容をチェックしておきましょう。




安心の中古マンション選びをスムナラがサポートします


この記事では、中古マンションの相場や選び方について、エリア別・築年数別の最新動向から、管理状態や将来価値の見極め方まで詳しく解説しました。新築マンションの価格高騰が続く中で、中古マンションへの注目が高まっています。今こそ、価格だけでなく資産性やリノベーションの可能性も重視して選ぶことが大切です。
スムナラでは、相場を熟知したナビゲーターが物件を厳選し、資産価値を重視した物件選びの提案をいたします。ご希望やご予算に合わせたリノベーションの提案もお任せください。これまでの実績を活かした具体的なアドバイスで、安心してご検討いただけます。「買って終わり」ではなく、「買ったあとも安心」な住まい探しを、パートナーとしてサポートいたします。相場や資産性に強い不動産会社を探している方は、ぜひスムナラにご相談ください。