子どもの成長や転勤などで家を売って住み替えると検討する際に「今の家を先に売るか、新居を先に買うか」で迷う方も多いでしょう。
住み替えで重要なのは、実は、「家を売る」「新しい家を探す」だけではありません。
売却のタイミング、購入資金の計画、住宅ローン、引っ越し、場合によってはリフォームまで、多くのことを同時に考える必要があります。多くの方が大変だと感じるのは、一つひとつの手続きではなく、「次に何をすればいいのか」「この進め方で本当に合っているのか」が見えないことです。
住み替えは、売却・購入・リフォームを別々に考えるよりも、全体の流れを設計し「暮らしを途切れさせずにつないでいくこと」が成功の近道になります。
この記事では、住み替えをスムーズに進めるために知っておきたい、売り先行・買い先行の選び方や、後悔しないためのポイントを紹介します。住み替えを効率良く進めたい方は、全体設計から伴走しているスムナラもあわせてご検討ください。

宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
元不動産営業のWEBライター。不動産会社で店長や営業部長として12年間勤務し、売買仲介・賃貸仲介・新築戸建販売・賃貸管理・売却査定等、あらゆる業務に精通。その後、不動産Webライターとして大手メディアや不動産会社のオウンドメディアで、住まいや不動産投資に関する記事を多く提供している。不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。
本記事の内容は2026年7月29日時点の情報に基づいており、不動産市場の状況や関連法規、税制などは将来変更される可能性があります。最新の情報については、公式の情報源をご確認ください。
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家を売って住み替える2つの方法

住み替えの方法には、売り先行と買い先行の2つがあります。それぞれの流れを順番に見ていきましょう。
売り先行の流れ
売り先行は、今住んでいる家を先に売って、新居を購入する住み替え方法です。売却金額が確定してから新居の予算を組むため、無理のない資金計画を立てられます。
売り先行の流れは以下のとおりです。
- 今の家の査定を不動産会社へ依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売却活動を始める(並行して新居探しも進める)
- 買主と売買契約を結び、家を引き渡す
- 売買契約を結んで引き渡しを受ける
- 新居へ引っ越す
売り先行の場合、売却は売り出しから引き渡しまで3カ月〜半年程度かかるのが一般的です。ただし、家の引き渡し日までに新居が決まらなければ、賃貸などの仮住まいを挟む必要があります。
杉山住宅ローンが残っている方や、仮住まいの費用がかかっても慎重に住み替えを進めたい方は、売り先行がおすすめです。
買い先行の流れ
買い先行は、新居を先に購入して、今の家を売却する住み替え方法です。仮住まいが必要ないので、 引っ越しは1回で完了します。
買い先行の流れは次のとおりです。
- 新居を探し、購入の売買契約を結ぶ
- 新居へ引っ越す
- 今の家の査定を不動産会社へ依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売却活動を始める
- 買主と売買契約を結び、家を引き渡す
買い先行を選ぶと、今の家が売れるまでダブルローン(2本の住宅ローンを同時に返済する状態)になる恐れがあります。自己資金に余裕がある方や、住宅ローン残債が少ない方におすすめです。
理想は、売却と購入の引き渡し時期を合わせる同時進行での住み替えです。二重のローン返済や仮住まいを避けられるため、費用負担を抑えたまま新居へ移れます。引き渡し時期のタイミングを合わせるためには、売却と購入の両方に強い不動産会社の力が必要になるため、早い段階で相談先を決めておきましょう。
売り先行と買い先行「どちらが向いているか」を見極めるには


売り先行と買い先行のどちらを選ぶべきかは、状況によって異なります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットと、見極めのポイントを紹介します。
「売り先行」で住み替えるメリット・デメリット
売り先行のメリットは、今の家が売れた金額をそのまま新居の購入費用に回せる点です。手元の資金が少なくても、売却代金に合わせて新居の予算を決められるため、住み替え後にローン返済で家計が苦しくなる心配を減らせます。売り急ぐ必要もなく、好条件で売れるタイミングをじっくり待つことができるでしょう。
一方で、売り先行は仮住まいの手間と費用が余分にかかる恐れがあります。今の家の引き渡し日までに新居が決まらなければ、仮住まいの家賃や引っ越し代が余分にかかります。また、売却価格が査定価格を下回り、当初の資金計画が崩れるケースもある点には注意が必要です。査定価格はあくまで目安と捉え、ゆとりのある資金計画を立てましょう。
「買い先行」で住み替えるメリット・デメリット
買い先行のメリットは、新居選びに時間をかけられる点です。売却の期限に追われずに新居を探せるため、間取りや立地をじっくり検討できます。仮住まいも不要で、引っ越しは新居への1回で済みます。
ただし、買い先行は資金計画が読みにくくなるのがデメリットです。今の家がいくらで売れるかはっきりしないまま、新居の購入費用を用意しなければなりません。想定より安い金額でしか売れなければ、資金が足りなくなる恐れがあります。
さらに、売れない期間が延びる程ダブルローンの金銭的負担が大きくなります。なお、二重の借り入れは金融機関の審査も厳しくなる傾向があります。資金計画が甘いとそもそもダブルローンを組むことができないので注意が必要です。買い先行を選ぶのであれば、今の家が売れないケースも想定した資金計画を組みましょう。
売り先行と買い先行に向いている人の特徴
売り先行は、次のような方におすすめです。
- 住宅ローンの残債が多く、売却前に完済の目途を立てておきたい方
- 手元の資金が少なく、売れた金額から新居の予算を決めたい方
- 引っ越しの時期を急がず、じっくり購入希望者を探したい方
資金にゆとりがない場合や、じっくり売却先を選びたい場合は、売り先行が向いているといえます。
一方で、買い先行が向いているのは以下のような方です。
- 貯蓄や収入に余裕があり、新居の購入費用を先に用意できる方
- 住宅ローンを完済済み、または残債がわずかな方
- 新居の間取りやエリアにこだわって、時間をかけて探したい方
資金力があれば住宅ローンの二重返済にも耐えられるため、買い先行の強みを活かせるでしょう。



もっとも、理想は売却と購入の引き渡し時期をそろえる方法です。売却と購入の時期をそろえることで、ダブルローンの返済や仮住まいの負担を軽減することができます。
住み替えで後悔しないためのポイント


住み替えは売却と購入が同時に進むため、やみくもに進めると失敗する可能性もあります。 ここでは、住み替えで後悔しないためのポイントを紹介します。
売却・購入のスケジュールを把握する
住み替えでは、売却と購入の両方でスケジュールを把握する必要があります。購入でも希望条件に合う物件が見つからなければ、想定よりスケジュールが長引く恐れがあります。
おすすめは、売却と購入の引き渡し日をそろえる住み替え方法です。仮住まいの家賃もダブルローンの返済も生じないため、余計な出費を抑えられます。



ただし、同時進行でうまく住み替えるためには、日程をそろえる調整が必要です。まずは「いつまでに住み替えるか」を決め、そこから逆算して動きましょう。
必要経費を明確にする
住み替えでは売却と購入の両方で費用がかかるため、住み替えを決めた時点で資金計画が必要です。購入と売却にかかる主な費用は次のとおりです。
【売却時】
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- 住宅ローン一括返済手数料
- 譲渡所得税
- その他費用(建物の解体費用・土地の測量代・引っ越し代・仮住まい費用など)
【購入時】
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 住宅ローン費用(事務手数料・保証料など)
- 火災保険料・地震保険料
- 不動産取得税
- その他費用(リフォーム費用・ハウスクリーニング代・引っ越し代など)



見落としやすい費用が、仮住まいを挟む場合の家賃と2回分の引っ越し代です。売り先行を選ぶのであれば、資金計画に組み込んでおきましょう。
減税措置を活用する
売却で利益が出ると譲渡所得税がかかることがありますが、特例で負担を軽減できる場合もあります。マイホームの住み替えで使える主な制度は以下のとおりです。
- 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除
- 所有期間が10年を超える場合の軽減税率の特例
- 特定の居住用財産の買換え特例
- 譲渡損失の損益通算および繰越控除



いずれも適用の要件が細かく決められており、活用するためには確定申告が必要です。売却で損失が出た場合も特例を利用すれば税金が戻るケースがあるため、申告を忘れないようにしましょう。
参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
参考:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
参考:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」
参考:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」
不動産会社・エージェント選びを重視する
住み替えが成功するかどうかは、依頼する不動産会社と担当者によって大きく左右されます。売却活動と購入手続きを並行して進めると同時に住宅ローンや仮住まいの手配も必要で、幅広い知識や豊富な経験が求められます。
不動産会社や担当者を選ぶ際は、次の点を比較してください。
- 住み替えをサポートした実績があるか
- 査定価格の根拠を明確に説明してくれるか
- 仮住まいや住宅ローンの相談にも応じてくれるか



特に、査定価格の高さだけで依頼先を決めると、想定より売却期間が延び、新居の計画に影響が出ることもあります。金額の根拠まで丁寧に説明してくれる担当者を選び、納得したうえで住み替えを進めましょう。
まとめ


家を売って住み替える方法やメリット・デメリット、住み替えで失敗を避けるためのポイントを紹介しました。
住み替えには、今の家を先に売却する売り先行と、新居を先に購入する買い先行のパターンがあります。売り先行は仮住まいの家賃と2回分の引っ越し代がかかり、買い先行はダブルローンを抱える恐れがあるので、それぞれのメリット・デメリットに着目しましょう。
しかし、本当に大切なのはどちらを選ぶかではなく、売却・購入・引っ越し、そして必要に応じてリフォームまでを一つの流れとして無理なく進められることです。
住み替えでは一つひとつの手続きを支援する会社ではなく、住み替え全体を見渡しながら最適な進め方を一緒に考えてくれるパートナーを選ぶことが大切です。
スムナラでは、売却・購入・リフォームまでを一貫してサポートし、それぞれを別々の手続きではなく一つの住み替え計画としてご提案しています。
住み替えを成功させることは、家を売ることでも家を買うことでもありません。新しい暮らしへ安心してたどり着くことです。
そのための第一歩として、まずは今のお住まいの状況やこれから叶えたい暮らしについてスムナラにお気軽にご相談ください。









