マンション売却を初めてする場合、右も左もわからない状態でいきなり準備を進めるのは不安がありますよね。
失敗を回避したいと思いつつ、「そもそもどんなことに注意したらいいのかわからない」と考える人は多いのではないでしょうか。
マンション売却で失敗しないためには、以下の5つに注意しながら手続きを進めていくことをおすすめします。
- はじめに「賃貸に出す」という選択肢も検討する
- マンション売却に必要な書類を確認する
- 投資用物件の売却実績が高い不動産会社に依頼する(投資用マンションの場合)
- 赤字にならないタイミングを見計らう(投資用マンションの場合)
- マンション引き渡し後はすぐに管理組合に報告する
マンション売却前に知っておきたい5つの注意点や具体的な対策を詳しく解説します。
さらに、マンション売却にかかる費用や具体的な失敗事例、「注意点を守りながら売却を進めるコツ」もご紹介。
最後まで読めば、マンション売却で失敗しないための注意点をしっかり把握し、それに沿って行動するだけで失敗を回避できるようになります。
このように空き家にしてからではなく、居住中にマンション売却をしたいと考えていませんか?
結論から言うと居住中のマンション売却は可能です。しかし、場合によっては余計な費用がかかってしまったり、内覧対応に思ったよりも疲れてしまったりとデメリットを多く感じてしまう可能性も少なくありません。
不安なく売却活動をおこなうためには、事前にメリットやデメリットを知ることで、居住中にマンション売却をするという選択が正しいかを判断することが大切です。
▼この記事を読んでわかること
- 居住中にマンション売却をするメリットやデメリット
- 居住中にマンション売却をするのがおすすめな人
- 居住しながらできるだけ高値でマンション売却するコツ
ぜひ、最後までご覧ください。
1.マンション売却の失敗事例3選
ここからは、実際にあったマンション売却失敗事例を3つ紹介します。
- マンションの価格が高すぎて、買い手が見つからなかった
- 資金繰りに余裕がなく、予想外の出費に焦った
- 売却を急ぐあまり、タイミングを見誤った
それぞれについて、詳しく解説していきます。
1-1.マンションの価格が高すぎて、買い手が見つからなかった
最初に紹介するのは、適切な売出価格を設定できずに買い手がなかなか見つからなかった事例です。
長い間、興味を持つ顧客が現れず、最終的に現れた顧客にすぐに売却することになりました。
客が来ないという状況に直面し、販売価格を下げる以外に選択肢がなかったのです。
マンションの売り出し価格は、過度に高くも低くもなく、市場価格よりもわずかに高めに設定することが重要です。
1-2.資金繰りに余裕がなく、予想外の出費に焦った
次に紹介するのは、資金繰りに余裕がなく予想外の出費に焦った事例です。
マンション売却から得た収益を、自宅の改修に充てることにしました。
受け取った資金の大部分をリフォーム費用に使用した後、確定申告を行った際に税金の支払いが必要であることが判明しました。
この予期せぬ支出により、困惑する状況に陥りました。
マンション売却をするときは、資金に余裕を持たせておきましょう。
1-3. 売却を急ぐあまり、タイミングを見誤った
最後に紹介するのは、急いで売却したために、希望していた価格よりも低い金額での売却になってしまった事例です。
売却を急いでいたため、結局は相手が提示する価格で売却することになりました。
いくつかの提案はありましたが、実際に売れることが最重要と考えた結果、それらの提案は不十分な営業手法だと思わざるを得ません。
選んだ業者に対しては今も大きな後悔を感じています。
この例からも、売却を検討している方は、事前にスケジュールや希望する売却時期を設定し、余裕をもって物件を市場に出すべきであることがわかります。
2.マンション売却における5つの注意点
はじめに、マンション売却を開始する前に知っておきたい5つの注意点をチェックしましょう。
- はじめに「賃貸に出す」という選択肢も検討する
- マンション売却に必要な書類を確認する
- 投資用物件の売却実績が高い不動産会社に依頼する(投資用マンションの場合)
- 赤字にならないタイミングを見計らう(投資用マンションの場合)
- マンション引き渡し後はすぐに管理組合に報告する
この注意点を順番に守っていけば、マンション売却における失敗のリスクを最小限にできます。
あなたが売ろうとしているマンションが、自分で住んでいる居住用のマンションの場合、注意すべきポイントは上記のうち1・2・5の3つのみ。
投資用のマンションを売りたい場合は、1〜5のすべてに注意する必要があります。
自分の状況に合わせた注意点をしっかりと確認しましょう。
3.マンション売却の大まかな流れ
前述した5つの注意点について深く理解するために、まずは一度マンション売却の大まかな流れを知って、全体像を把握しておきましょう。
注意点のひとつひとつを確認する際に、「今どの段階なのか」をイメージすることで、実践に繋げやすくなります。
マンション売却を完了させるのに必要なのは、次の5つの行程。
- 査定
- 仲介業者と契約
- 価格を決めて売り出す
- 売買契約成立
- 引き渡し
5つの行程のうち、STEP1〜2がマンション売却前にやること、3〜4が売却中にやること、5が売却後にやることです。
この流れに、前章で紹介した5つの注意点を振り分けると、以下の図のようになります。
どのタイミングで、どのようなことに気をつけたらいいか、大まかにイメージできたでしょうか。
さらに詳しく知りたい場合は、細かくマンション売却の流れについて解説している下記記事もご覧になってください。
関連記事:初心者必見!マンション売却の流れと失敗しないための4つの注意点
続いてはいよいよ、5つの注意点について、ひとつずつ詳しく解説していきます。
4.売却する前に「賃貸に出す」という選択肢も検討する
あなたが置かれている現在の状況やマンションの状態によっては、実は売却よりも賃貸に出したほうが良いという場合もあります。
賃貸という選択肢を検討せずに、はじめから売却一択で準備を進めてしまうと、将来的に後悔するケースも。
ここでは、賃貸を検討しなかったことで考えられる失敗の例と、失敗を防ぐための対策を紹介します。
一時的な転勤などで引っ越しが必要になったとき、「今なら購入した価格より高値で売れる」と不動産会社にいわれ、急いでマンションを売ってしまう人も少なくありません。
しかし、数年後に元の勤務地に戻ることになったとしたら、どうでしょうか。
元のマンションと同等な物件を探そうと思っても、以前よりマンションの価格が高騰していて、新たに購入できないという可能性も十分に考えられますよね。
こういった場合、「一時的に賃貸に出しておいて、地元へ帰ってきたときに再び住み直す」という選択を取った方が良かったと言えるでしょう。
上記のような失敗を予防するためには、はじめから売却と決めてしまう前に、一度「自分の場合は売却と賃貸のどちらが良いのだろう?」とじっくり検討してみることが重要です。
検討する際に、一般的な判断基準となるのが、以下の3つ。
- 確実に金銭面での損失を抑えたいのなら売却
- 住宅ローンが残っていて、すぐに完済できないなら売却
- 将来的に物件に戻るつもりがあるなら賃貸
ただし、個人の状況によって、売却と賃貸のどちらが適しているかは異なります。
さらに詳しく知りたい場合は、マンションの売却と賃貸ではどちらが得か、ケース別の具体例を交えて解説している下記記事も参考にしてくださいね。
関連記事:【徹底比較】マンションの売却か賃貸の判断基準をケース別で紹介
5.マンション売却契約時の注意点
不動産の売却手続きをするためにはさまざまな書類が必要で、戸建ての場合は不要でも、マンションを売る際に必要になってくるというものもあります。
次の表は、マンション売却に必要な書類の一覧です。
書類 | 目的 |
身分証明書 | 売主本人確認のため |
実印・印鑑証明 | 書類への捺印と実印の証明のため |
登記済権利証 | 登記名義人の変更のため |
間取り図・測量図 | 物件情報の確認のため |
固定資産税納税通知書 | 固定資産税の計算のため |
建築確認済証・検査済証 | 建築基準を満たしているかの確認のため |
マンションの管理規約 | 媒介契約時・売買契約時にしよう |
これらの書類を、不動産会社に求められてから用意し始めると、時間がかかって売却がスムーズに進みません。
予定していた時期にマンションが売れないと、当然売却で得られるお金が入ってくるタイミングも遅れます。
新居での生活に困るなどの事態に陥らないよう、最低でも必須書類は前もって用意しておきましょう。
以下の3つは、マンション売却にのみ必要な書類です。
- 管理規約の提出
- 重要事項に関する調査報告書の用意
- マンション取得時の書類の準備
それぞれどういった書類なのか、用意しておかないことでどんなデメリットがあるのか、詳しく説明していきます。
5-1.管理規約の提出(必須)
管理費や維持費といった費用の詳細・生活上の注意事項・緊急避難措置まで、そのマンションに住むうえでのルールが記載された書類です。
この書類がないと、買い手側がマンションの概要を把握できなくなってしまうため、提出が必須となっています。
本来はマンションを購入した際に管理会社から受け取るものですが、紛失した場合は、管理会社に連絡して再発行してもらいましょう。
5-2.重要事項に関する調査報告書の用意(必須)
アスベスト調査や耐震診断の結果、大規模修繕工事の予定など、マンションの管理面に関する情報が確認できる資料です。
マンションが安全に維持管理されているかを買主が判断するための書類なので、用意していないと、物件の不信感に繋がります。
そのため、こちらは不動産会社から提出を求められる必須書類です。
マンションの管理会社に依頼し、数千円〜1万円程度で発行してもらえるものなので、早めに依頼しましょう。
5-3.マンション取得時の書類の準備(推奨)
マンションを購入した際に受け取る、パンフレットや契約書といった書類です。
これらは用意しておくことで物件情報の一端にはなるものの、必須書類ではないため、売却段階で提出を求められることはありません。
しかし、契約書は売却後の年度末に行う確定申告で必要になってくるため、「必要書類はまとめて一度に揃えてしまいたい」と考える方は用意しておくことをおすすめします。
契約時の注意点がわかったところで、売却前にどのようなことに注意すべきか気になりますよね。
次は、投資用マンションにおける売却前の注意点を紹介します。
6.マンション売却前の注意点(投資用マンションの場合)
自分が住んでいるマンションではなく、投資用として所有していたマンションを売る場合、次のようなことに気をつけなければいけません。
- 投資用物件の売却実績が高い不動産会社に仲介を依頼する
- 赤字にならないタイミングを見計らう
どんな失敗が考えられるのか、どう対策すればいいのか、詳しく解説していきます。
自宅のマンションを売る場合は、ここで紹介する注意点はスキップして問題ないので、次の章に進んでください。
6-1.売却実績がある不動産会社に仲介を依頼する
投資用のマンションを売る際、売買の仲介をしてくれる不動産会社選びがとても重要です。
投資用物件を売却するには、投資に関する知識はもちろんのこと、法律や税金・賃貸借契約についてなど、幅広い分野のノウハウが必要になります。
そのため、居住用のマンション売却をメインで行っている不動産会社に依頼すると、適正な売却価格を出してもらえない可能性も。
物件の価値をしっかりと見極めてもらえるよう、投資用マンションの売却に力を入れていて、なおかつ実績のある不動産会社を選びましょう。
なかなか判断がつかないという場合は、投資用物件の実績や強みを公式サイトでアピールしている不動産会社に問い合わせてみることをおすすめします。
6-2.赤字にならないタイミングを見計らう
投資用マンションにおいて重要なのは、「これまでの家賃収入+売却価格>購入価格」になったタイミングを見計らって売却すること。
利益を出すために投資用マンションを購入したのに、タイミングを逃して赤字になってしまっては、元も子もありませんよね。
マンションの価格は、基本的には上昇傾向にあるものの、季節や周辺環境の変化などによっても変動します。
こういった状況を総合的に見たうえで「売り時」を判断するのは素人では難しく、不動産投資のプロに任せるのが一番です。
高く売るためには急いで売却する必要はないものの、あなたがマンションを「売りたい」と思ったそのときが、プロの目から見ても一番の「売り時」である可能性もゼロではありません。
そのため、不動産会社への相談はできるだけ早めにしておくことをおすすめします。
マンションの売り時についてより詳しく知っておきたい場合は、下記記事を参考にしてください。
関連記事:【2023年最新】マンションの売り時はいつ?今がおすすめな4つの理由を徹底解説
7.マンション引き渡し後の注意点
マンションを購入した時点で、そこへ住む人は自動的に、居住者が快適に暮らすための集合体である「管理組合」の組合員になります。
そのため売却の際には、管理組合に連絡をして、組合員の資格喪失の手続きを踏む必要があります。
ここで気を付けておくべきなのが、管理組合への報告が遅れないよう注意すること。
どんな失敗が考えられるのか、失敗を予防するにはどうすればいいか、詳しく解説していきます。
7-1.マンション引き渡し後はすぐに管理組合に報告する
マンションの売買契約が成立した直後は、引き渡しや引っ越しの準備に追われ、手続きに漏れが生じやすくなります。
管理組合への報告を忘れて新生活を迎え、そのままになってしまうというケースも少なくありません。
連絡をもらっていない管理組合は、元の住人がまだマンションに住んでいるものと思って、管理費や修繕積立金といった月々の支払いがこれまで通り引き落とされてしまう可能性があります。
こういった場合、事情を説明して払い戻しの手続きを取らなければならず、二度手間になるうえに管理組合に迷惑をかけてしまいます。
管理組合への連絡漏れを防ぐためには、マンション売却が完了した後も、油断せずに気をつけるしかありません。
とはいえ売却直後はどうしてもバタバタしやすいので、今のうちからやることリストや大まかな作業スケジュールを作成し、その中に管理組合への連絡をあらかじめ組み込んでしまいましょう。
8.マンション売却にかかる費用
マンションを売却する際には、費用がかかることを理解しておかないと、思わぬ失敗に繋がる可能性があります。
マンションを売却する際には、以下4つの費用が必要です。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登記費用
- 譲渡所得税
これらの費用は、マンションの売却価格の約3.5%に相当します。
それぞれの手数料について詳しく説明します。
8-1.仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に支払われる料金で、これは不動産会社が買い手を見つけた際にのみ発生します。これは着手金とは異なり、買主が見つかった時のみ発生します。
マンションを売る際の仲介手数料は、400万円を超える取引において、取引額の3%に加えて6万円が上限です。
この手数料には別途消費税が加算されます。
8-2.印紙代
売買契約書には印紙税が適用されるため、印紙代が必要になります。
この印紙代は取引額によって異なり、たとえば1,000万円を超えて5,000万円以下の取引の場合、印紙代は10,000円です。これは税金として扱われます。
売買契約書は売主と買主の両方に必要なため、2枚必要です。例えば、3,000万円の取引の場合、印紙代として合計20,000円が必要になります。
8-3.登記費用(抵当権抹消)
もし住宅ローンの支払いが続いているか、ローンを完済していても抵当権の抹消登記を行っていない場合、物件を売却する際に抵当権の抹消登記が必要となり、このプロセスで費用がかかります。
この登記には、登録免許税と司法書士への報酬(登記を委託した場合)が含まれます。
登録免許税は、不動産1件につき1,000円必要です。
例えば、一戸建て住宅を売る場合、建物と土地はそれぞれ別の不動産とみなされるため、合計で2,000円の登録免許税が発生します。
抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合、一般的には1万5千円程度の費用がかかります。
8-4.譲渡所得税
土地や建物を売却する際には、別途所得税が課されます。
これは給与所得や事業所得とは異なり、独立して計算される税金です。売却された土地の所有期間に応じて税率が変動します。
より詳細な情報は国税庁のウェブサイトで確認できます。
特に「土地や建物を売ったとき」のセクションを参照してください。
9.マンション売却に関するよくある質問
これからは、マンション売却に関してよくある質問3選を紹介します。
- マンション売却するなら、どこの不動産会社がいい?
- マンション売却で儲かった人っている?
- マンション売却したいけど、売れない場合どうする?
それぞれについて詳しく解説していきます。
9-1.マンション売却するなら、どこの不動産会社がいい?
不動産会社を選ぶ際には、以下の重要な要素を考慮に入れることが大切です。
- 不動産会社が持つマンション売却に関する豊富な経験
- 提供されるサービスの種類と質
- 過去の顧客からの評価やフィードバック
- 査定された価格の適正性
- 自分と不動産会社の担当者との良好な関係
これらのポイントを押さえておくことで、マンション売却の際の不動産会社選びがスムーズになります。
下記記事もあわせてご覧ください。
関連記事:良い不動産屋・仲介業者の簡単な選び方とは?探し方や注意点を解説
9-2.マンション売却で儲かった人っている?
マンション売却で実際に儲かった人はいます。
その一例として体験談を紹介させていただきます。
「私たちの家は購入から3年で売却し、約500万円の利益を得ました。経済状況がそれほど良くなかった時期に、新しいマンションを2戸同時に購入することで、通常より1500万円程度安く手に入れることができました。そして、およそ4年前に、景気が一時的に良いとされていた時期に売却することで、さらなる利益を得ることができました。」
このことから、儲けるためには経済が低迷している時期に物件を購入することが、最も賢い選択であることがわかります。
9-3.マンション売却したいけど、売れない場合どうする?
売れない場合は、まずは原因を特定しましょう。
明確な原因がわかる場合は問題の対処をし、わからない場合は高く売れないかもしれませんが、不動産会社に買い取ってもらいましょう。
売却せずに持ち続けると、固定資産税や管理費などの継続的な費用がかかります。
できれば高く売りたいという願いはあるかもしれませんが、現実を冷静に見極め、買い取りを提供してくれる不動産会社を探すべきです。
10.まとめ
最後に、本記事の内容のおさらいをします。
【マンション売却における5つの注意点】
- はじめに「賃貸に出す」という選択肢も検討する
- マンション売却に必要な書類を確認する
- 投資用物件の売却実績が高い不動産会社に依頼する(投資用マンションの場合)
- 赤字にならないタイミングを見計らう(投資用マンションの場合)
- マンション引き渡し後はすぐに管理組合に報告する
マンション売却前には上記のことに気をつけましょう。
マンション売却全体のスケジュールにあらかじめ注意点を組み、早く、無駄なお金をかけずマンションを売るならsumnaraで。
【1】中古マンション売却を現状のママで高く、早期に売却できる。
【2】プロライターが物件取材して隠れた魅力を引き出すから、早く・無駄なお金をかけずに売れる。
【3】しつこい営業電話などセールスがないから、安心して売却相談ができる。
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