「住み替えしたいけれどどれくらい費用がかかるの?」
「住み替えにかかる費用にはどのようなものがあるの?」
住み替えのための費用を考える時、新しい家を購入するための費用ばかり気にしがちです。
しかし、住み替えにかかる費用は、新しい家の購入費だけではありません。
結論から言うと、住み替えするには大きく3つ、
- 新しく住む家の取得費と諸費用
- 今住んでいる家を売却するための諸費用
- 引っ越し費用や仮住まいの家賃などその他の費用
がかかります。
詳しくは記事でお伝えしますが、新しく住む家の取得費はそれぞれ予算に応じて決まり、諸費用は物件価格の5~8%が相場です。
例えば2,000万円の物件を購入する場合、取得と諸費用を合わせて2,100万円から2,160万円です。
今住んでいる家を売却するための諸費用は売買価格の5~7%が相場です。所有している物件を1,000万円で売る場合、売却にかかる費用は50万円から70万円です。
その他にも、引っ越し費用、ハウスクリーニング費用、仮住まいの家賃などがあり3〜4人家族だと約60万〜80万円かかります。
そのことを知らないまま、売却のための諸費用を計算に入れずに住み替えの資金計画を立ててしまうと、資金が足らなくなることもあります。
資金が足りなければ、思い描いていた理想の住み替えが叶わなくなることもあるのです。
そうならないためにも、自分の場合はいくらかかるのか、しっかり見積もることが重要になります。
そこでこの記事では住み替えの費用について、物件を買う時、売る時両方について紹介します。
この記事を読めば
- 住み替えに必要な費用
- 売る時に必要な諸経費の相場
- 買う時に必要な諸経費の相場
- その他にかかる費用
- 物件の種類別の平均取得費用
- 住み替えにかかる費用のシミュレーション
- 住み替え費用を節約する4つの方法
- 住み替えの費用負担を減らす方法
がわかります。
住み替えに必要な費用をきちんと知っておくことで、より無理がなくスムーズに理想の住み替えを叶えることができるのです。
この記事があなたの住み替えをスムーズに行うためのお役に立てば幸いです。
1.住み替えに必要な費用の一覧
住み替えに必要な費用にはどのようなものがあるのでしょうか?
家を売る時と買う時、それぞれについて一覧で見ていきましょう。
家を売る時に必要な費用は次のようなものがあります。
家を買う時の費用は次の通りです。
その他に必要になる費用は次のようなものがあります。
それぞれについて詳しく紹介します。
1-1.住み替えにかかる費用
住み替えにかかる費用は、大きく分けると
- 物件の購入費用(購入時)
- 諸費用(購入時・売却時)
- その他の費用
の3つがあります。
物件の取得費とは、新しく住む家を購入するために必要な費用です。
こちらは物件の価格として不動産会社や売主から提示されるのでわかりやすいかと思います。
物件の取得費以外にかかるのが諸費用です。
諸費用とは
- 不動産会社に支払う仲介手数料
- 各種税金
- ローンにかかる手数料
- 不動産登記にかかる費用
などがあります。
1-2.諸費用は売る時と買う時それぞれかかる
物件の取得費以外にかかる諸費用ですが、買う時だけでなく売る時にもかかります。
例えば物件の売却を仲介してくれた不動産会社に支払う仲介手数料や、税金、ローンを一括返済するための手数料など、様々な費用が必要なのです。
売る時には、売却価格の分すべてが手元に残ると思ってしまうと、資金計画に狂いが出てしまいます。
例えば、売却価格すべてが手元に残ると考えて住宅ローンの残債をすべて払い終えられると思っていても、諸費用を差し引きすると手元に残るお金が減ってしまい、残債すべてを払いきれないという状態に陥ってしまうこともあるのです。
買う時だけでなく、売る時にも費用がかかること、買う時には購入費用だけでなく諸費用がかかることを覚えておきましょう。
売る時にかかる費用については「3.家を売る時に必要な費用」、買う時にかかる費用については「4.家を買う時に必要な費用」で詳しく紹介しますので参考にしてみてください。
1-3.その他にかかる費用も見落とさないよう注意
住み替えをする時は物件の取得費にばかり気がいきがちですが、それ以外にもかかる費用があることを覚えておかないと、資金計画がうまくいきません。
その他の費用とは、
- 引っ越し費用
- 仮住まいの費用
- ハウスクリーニング費用
などです。
取得費、諸費用以外にもかかる費用があることを覚えておきましょう。
2.住み替えにかかる費用の相場
住み替えにはどのような費用がかかるのかを一覧で紹介しました。
では、いくらくらいになるのか?と思ったのではないでしょうか。
費用は物件の売却・購入額によって変わるので、以下は売る時と買う時に分けてみていきましょう。
売る時と買う時、それぞれにかかる費用の相場は次の通りです。
- 売る時の必要諸費用の相場は、売買価格の5~7%
- 買う時の諸費用は物件価格の5~8%
それぞれについて、より詳しくみていきましょう。
2-1.売る時に必要な費用の相場は売買価格の4〜5%
家を売る時に必要な費用の相場は、売買価格の4~5%です。
例えば今住んでいる家を
1,000万円で売る場合、売却にかかる費用は40万円から50万円
2,000万円で売る場合、売却にかかる費用は80万円から100万円
3,000万円で売る場合、売却にかかる費用は120万円から150万円
くらいが相場になります。
売却価格そのままが手元に残るのではなく、売却にかかる費用を差し引いて考え、資金計画を立てるとよいでしょう。
2-2.買う時の諸費用は物件価格の5~8%
家を買う時に必要な諸費用は、物件価格の5~8%が相場です。
物件価格に諸費用をプラスして資金計画を立てておくと資金繰りがスムーズにいきます。
物件価格の5~8%の諸費用を上乗せするということは
1,000万円の物件を購入する場合、諸費用を合わせた必要な費用は1,050万円から1,080万円
2,000万円の物件を購入する場合、諸費用を合わせた必要な費用は2,100万円から2,160万円
3,000万円の物件を購入する場合、諸費用を合わせた必要な費用は3,150万円から3,240万円
ということになります。
また、諸費用は住宅ローンで借りることはできないため、諸費用分は別途資金を用意しておく必要があります。
売却して得たお金から諸費用分をとっておくか、別で資金を用意しなくてはいけません。
資金が足りない場合は、諸費用ローンを利用することも可能です。
2-3.その他の費用は、3〜4人家族で約60万〜80万円
引っ越し費用や仮住まいの費用などは、家族の人数や引っ越し時期、仮住まいの期間、住む地域によって異なります。
あくまで目安ですが、3人から4人家族の場合は引っ越し費用として約10万円、仮住まい費用は3ヶ月分の家賃と敷金礼金を合わせて約40万円から60万円、ハウスクリーニング費用は2軒分を合わせて約10万円、合計60万円から80万円ほどはみておくとよいでしょう。
3.家を売る時に必要な費用
前章では、住み替えにかかる費用の相場についてお伝えしました。
例えば2,000万円で売る場合、売却にかかる費用は100万円から140万円です。
どうしてこんなにかかるの?と思った方も多いのではないでしょうか。
そこで本章では、家を売る時に必要な費用について、それぞれの項目について費用相場や、自分の場合の算出方法をお伝えします。
では具体的に、どのような内訳になっているのでしょうか?
家を売る時に必要な費用には
があります。
それぞれどれくらいかかるのか、自分の場合はどれくらいかかるのか計算する方法を詳しく紹介します。
3-1.仲介手数料
仲介手数料は、売却を仲介してくれた不動産会社に支払う費用です。
仲介手数料は、物件の媒介契約を結んだ時ではなく、売買契約が成立した時に支払います。
仲介手数料にかかる費用の算出方法は以下の計算式を使います。
例えば1,000万円で売却出来た場合、1,000万円の3%で30万円+6万円の36万円に消費税10%をかけ、39万6,000円が仲介手数料として支払う額となります。
仲介手数料は売る時に支払う金額として大きな額となりますから、必ず資金計画に入れておきましょう。
実際に自分の家はどれくらいの売却価格となるのかは、不動産会社に査定してもらうことで、だいたいの相場がわかります。
不動産の査定についてより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
不動産査定の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事、不動産査定を行うサイトについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
3-2.印紙税
印紙税とは、売買契約書に貼る収入印紙のことです。
収入印紙の額は、契約書に記載されている金額によって異なります。
家を売却する時、売主と買主それぞれの分として2通契約書を作成します。
法律上は売主と買主どちらが印紙税を負担してもよいのですが、商習慣でそれぞれ1通分ずつ負担するとなっていることがほとんどです。
印紙税の税額は以下の通りです。
売却価格が上がれば、必要な印紙税の額も多くなります。
契約書の額に合わせた収入印紙を用意しましょう。
収入印紙は郵便局、コンビニ、金券ショップ 法務局などで購入できます。
3-3.抵当権抹消費用
売却する家に住宅ローンが残っており、担保になっている場合は不動産登記から抵当権を抹消する費用がかかります。
抵当権抹消費用は、1件につき1,000円です。
一戸建ての場合、土地と建物は別々の登記になっていますから、合計で2,000円かかります。マンションの場合も、建物と土地をあわせて2,000円となることが多くなります。
また、抵当権抹消登記を司法書士に依頼した場合は、司法書士への報酬が別途必要です。
司法書士への報酬は地域や事務所によって異なりますが、14,000円から19,000円ほどが相場となります。
抵当権の抹消について自分で行うのか、それとも司法書士に依頼した方がいいかなど、より詳しく知りたい方は抵当権の抹消について詳しく書かれたこちらの記事も参考にしてみてください。
抵当権抹消の登録税と合わせて、約20,000円ほどを想定しておくと良いでしょう。
参考:日本司法書士連合会 報酬アンケート結果(2018年(平成30年)1月実施)
3-4.ローンの一括返済費用
家を売却して得た売却金額で、住宅ローンを一括返済する場合、一括返済の手数料が必要になる場合があります。
一括返済をした場合の手数料は、住宅ローンを借りた金融機関によって異なります。
主な金融機関の手数料は以下の通りです。
インターネットで手続きを行うと、メガバンクでも手数料が無料になる場合があります。
あらかじめ自分が借入している金融機関に手数料などの条件を確認してから一括返済の手続きを行うとよいでしょう。
3-5.譲渡所得税
譲渡所得税とは、家を売却した時、購入した時よりも高く売れた場合に納めなくてはならない所得税です。
譲渡所得税は、売却して得た売却益に対して所定の税率を掛けた金額を納めます。
譲渡所得税の額は、次の計算式で計算が可能です。
例えば6年住んだ家を売却して、300万円の譲渡所得を得た場合は、税率が20.315%となるため、60万9,450円の譲渡所得税を納めなくてはなりません。
ただし、譲渡所得税には、3,000万円の特別控除など節税できる特別控除もあります。
これは、譲渡所得を3,000万円まで控除できるという制度で、簡単に言えば譲渡所得が3,000万円までは、譲渡所得税を無料にすることができるということです。
詳しく知りたい方は譲渡所得税の控除について詳しく解説したこちらの記事も参考にしてみてください。
4.家を買う時に必要な費用
2章でお伝えしたように、家を買う時に必要な費用には、物件の購入費用だけでなく諸費用が必要です。
諸費用は、物件価格の5%から8%が相場となります。
例えば3,000万円の物件を購入する場合、諸費用を合わせた必要な費用は3,150万円から3,240万円かかるということです。
どうしてこれほどかかるのか、費用の内訳は次のようになります。
一般的に家を買う費用と言うと、物件の購入費用をイメージする方が多いですが、それ以外にも仲介手数料や印紙税などの諸費用が必要です。
この諸費用を頭に入れておかなければ、住み替えの資金繰りがうまくいかない場合があるのです。
それぞれの費用について、どれくらいかかるのか計算方法などをみていきましょう。
4-1物件の購入費用
まず家を買う時に必要になる費用の中で一番大きいものが、物件の購入費用です。
新しく住む家を買う上で、もっとも大切になる費用が物件の購入費用となります。
まずは自分が新居の購入費用としてどれくらいなら支払えるのかを考え、物件の購入費用と諸費用を合わせた額で資金を計算するようにしておきましょう。
物件の購入費用は、新居を買うエリアや戸建て、マンションなどの種類別、新築か中古かなどによって異なります。
物件の種類別の購入費用の平均額は次の通りです。
全国平均では新築マンションが最も高く、次いで土地付き注文住宅となっています。
戸建て、マンションともに中古になると平均取得価格もぐっと下がります。
自分の予算に合わせた新居を探すのがおすすめです。
4-2.仲介手数料
仲介手数料は、購入した物件を紹介してくれた不動産会社に対して支払うお金です。
仲介手数料は次の計算式で出すことができます。
物件価格が上がれば、仲介手数料も高くなります。
例えば3,000万円の物件を購入した時の仲介手数料は消費税込みで105万6,000円です。
仲介手数料を頭に入れた上で物件の購入資金を計算しておきましょう。
4-3.印紙税
印紙税は売買契約を結ぶ際に納める必要があります。
家の売却だけでなく、購入する際にも売買契約書を作成しますから、印紙税も必要になるのです。
印紙税は先ほども紹介したように、売買契約書に記載される価格によって変わります。
印紙税の税額は以下の通りです。
売買契約書は、売主と買主の2通作りますが、買主が負担するのは一通分です。
自分が購入する物件の価格に合わせた収入印紙を用意して、印紙税を納めましょう。
4-4.融資事務手数料
融資事務手数料の額は、住宅ローンを借入した金融機関によって異なります。
融資事務手数料は、定率型か定額型があります。
定率型は、借り入れた額に対して一定の利家を購入するために住宅ローンを組んだ場合は、住宅ローンの申し込みをした時の手数料として、融資事務手数料を支払わなくてはいけません。率を掛けた金額を支払う方式です。
定額型は、決まった額を融資事務手数料として支払います。
定額型の方が融資事務手数料は低く抑えられますが、その分住宅ローンの金利が高くなるため、トータルでは定率型の方がお得になる可能性があります。
どちらがお得になるかは、借入額や借入期間によって変わりますから、自分の借り入れ条件を考えた上で計算することをおすすめします。
融資事務手数料の相場は定率型で借入額の2.2%となっています。
みずほ銀行|みずほ住宅ローン/みずほネット住宅ローンの保証料など
4-5.保証料
保証料は、住宅ローンを借入した時、返済できなくなった時に備えて保証会社に支払うお金です。
借入する金融機関によっては保証料はなしの場合もあります。
保証料の金額は、金融機関によって異なります。
ネット銀行や、大手メガバンクでもネット申し込み限定の住宅ローンの場合は、保証料は無料になることが多いです。
保証料を支払う場合は、一括で最初に払い込むケースと、金利に上乗せする形で払い込んでいくケースの2つの場合があります。
一括前払いの場合の相場は借入金額によって異なりますが、3,000万円借り入れした場合は65万円から75万円が相場となります。
金利に上乗せする場合は、金利にプラス0.2%上乗せするケースが多いです。
支払う額を減らしたい場合は、保証料を無料にしている住宅ローンを選ぶのがおすすめです。
4-6.不動産取得税
不動産取得税とは、新しく不動産を購入したときに納める税金です。
固定資産税などとは違い、不動産を取得した時に一度だけ納める義務があります。
不動産取得税の税率は以下の通りです。
購入した物件の価値3%を税金として納めます。
ここで注意したいのが、物件の価値は購入価格と同じではないという点です。
税額を決める不動産の価値は、固定資産税評価額によって決まります。
中古物件の場合は、すでに固定資産税評価額が決まっていますから、そちらの額を参考にしましょう。
固定資産税評価額は、前年度の課税明細書を確認すればわかります。
中古物件の場合はあらかじめ売主に固定資産税評価額を聞いておけば税額が計算できます。
新築物件の場合は、都道府県が定める基準額と延べ床面積を掛けて計算します。
例えば新築マンションの場合、東京都の基準額が1平方メートル当たり15万8,000円です。
延べ床面積85平方メートルの新築マンションの価値は、1,343万円となります。
この場合の不動産取得税は1343万円の3%で40万2,900円となります。
4-7.不動産登記に関わる費用
住み替えで新しく不動産を取得した時は、登記に関わる費用も必要です
登記とは、不動産の持ち主が誰かということを法務局に登録し、自分が持ち主であることを証明するための手続きのことです。
不動産登記に関わる費用は
- 不動産登記の登録税
- 登記を行った司法書士への報酬
の2つがあります。
4-7-1.不動産登記の登録税
新しい家を取得した時に必要となる登記や登録税の税額は、どんな家を取得したかによって異なります。
大きく違うのが、「家を新築した時」と「建売や中古物件など他の持ち主が登記された物件を購入した時」です。
家を新築した場合は、建物自体がまだ登記されていないため、最初に新しくできた建物を登記してから、その持ち主を登記するという手続きが必要になります。
他の持ち主がいる建物を購入した場合は、持ち主を書きかえる登記を行います。
登録税の税率は以下の通りです。
新しい家を新築した場合は、建物表題登記(新しい建物ができたことを記録する登記)をまず行ったうえで、所有権保存登記(誰が不動産を所有しているかを登録する登記)を行います。
建物表題登記は課税されません。
所有権保存登記は、建物の価値の0.4%を納めます。
建物の価値は、各都道府県が年度ごとに決める「基準」によって決められます。
例えば東京都が令和3年度に定めた基準は以下の通りです。
この基準を使い、延べ床面積をかけて建物の価値を算出します。
例えば木造新築一戸建てで延べ床面積が150平米の場合、
102,000(基準額)×150(延べ床面積)=1千530万円
が建物の価値となるのです。
この場合、所有権保存登記の登録税は、1千530万円の0.4%で6万1,200円となります。
建売物件を購入する、マンションを購入する、中古物件を購入するなど、もとの持ち主が登記されている物件を購入した場合は、所有権移転登記を行います。
所有権移転登記は建物の価値の2%を納めます。
建物の価値は、売買価格ではなく、都道府県が算出している「固定資産税台帳」に記載された価格によります。
固定資産税台帳に記載された額は、不動産がある市町村で証明書が発行されますので、そちらを確認しましょう。
どちらの場合も、住宅ローンを組んで家を担保に入れた場合は抵当権設置登記を行わなくてはいけません。
抵当権設置登記は借入額の0.4%を納めます。
4-7-2.司法書士への報酬
登記費用に加えて、登記を司法書士に依頼する場合は司法書士への報酬が必要です。
司法書士への報酬は、次の表を参考にしてください。
例えば2,000万円の中古マンションを購入した場合、所有権移転登記にかかる費用は、所有権移転登記の登記費用40万円と司法書士への報酬約5万円です。
あらかじめ登記費用についても計算しておきましょう。
詳しくは、不動産登記の費用について解説したこちらの記事も参考にしてください。
5.その他にかかる費用
売る時と買う時の費用について説明してきましたが、住み替えには、売る時と買う時以外にも費用がかかります。
その他にかかる費用には、次のようなものがあります。
それぞれの費用について詳しく紹介していきます。
5-1.仮住まいのための費用
先に今まで住んでいた家を売り、その後次に住む家を探す「売り先行」で住み替えをする場合は、家を売った後、次の家が決まるまでの間に住む仮住まいのための費用が必要です。
仮住まいは賃貸にする場合がほとんどですから、
- 敷金
- 礼金
- 家賃
といった費用が発生します。
仮住まいのための費用は借りる物件によって異なりますが、現在使っている家財道具が収まる広さは必要です。
また、次の家が決まるまでの期間が長ければ長いほど、家賃の合計が高くなっていきます。
家賃相場は全国賃貸管理ビジネス協会が調査した家賃動向によれば、全国平均で家族向け3部屋で66,086円です。
敷金・礼金をそれぞれ家賃1ヶ月分、新居に入居するまで3ヶ月と見積もった場合、33万430円かかります。
先に新居を購入する「買い先行」や、売りと買いを同時に行うケースであれば仮住まいの費用は発生しません。
5-2.引っ越し費用
引っ越し費用も住み替えには必要です。
引っ越し費用は、家財道具がどれくらいあるかや、引っ越しを行う時期によって異なります。
また、売り先行の場合は、旧居から仮住まい、仮住まいから新居と二回引っ越しをしなくてはならないため、引っ越し費用が二回分必要になります。
家族がいる場合、単身よりも家財道具が多く引っ越し費用も高額になりやすいため、なるべく1回で済むよう売り買いのタイミングを合わせるとよいでしょう。
引っ越し費用の相場は、引っ越す時期や荷物の量によって異なります。
家族の場合は約10万円前後を想定しておくとよいでしょう。
5-3.ハウスクリーニング費用
必須ではありませんが、旧居を売って買主に引き渡す前や、中古物件を購入して住み始める前などに、ハウスクリーニング費用が住み替え時にかかることがあります。
検討するのは、室内の設備の汚れが激しく、かつ資金に余裕がある時だけで問題ありません。
新居のハウスクリーニング費用は、新築であれば必要なく、中古でも引渡し前にすでにハウスクリーニングが済んでいる場合もあります。
ハウスクリーニングの費用は、家の広さによって異なります。
費用相場は2LDKで4万円前後、3LDKで45,000円前後です。
自分のケースではハウスクリーニングをした方がよさそうだ、と思われた方は、こちらも予算にしっかり含めましょう。
6.住み替えにかかる費用シミュレーション
住み替えについての費用について説明してきましたが、今までの説明を踏まえて、住み替えにはどれくらいの費用がかかるのかをシミュレーションしてみましょう。
旧居 築10年のマンション 2,000万円で売却
新居 築15年のマンション 3,000万円で購入
というケースで考えてみます。
6-1.売る時の費用シミュレーション
旧居を売却するために必要な費用は
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- ローンの一括返済費用
- 譲渡所得税
があります。
■仲介手数料
2,000万円×0.03+6万円で計算できます。
仲介手数料は72万6,000円です。
仲介手数料については「3-1.仲介手数料」を参照してください。
■印紙税
印紙税の税額は、売買契約書に記載される額によって決まります。
今回の場合は1,000万円以上5,000万円以下で1万円です。
印紙税については「3-2.印紙税」の表も参考にしてください。
■抵当権抹消費用
登録免許税はマンションなので2,000円です。
司法書士への報酬を合わせて2万円と考えておきます。
登録免許税については「3-3.抵当権抹消費用」を参照してください。
■ローンの一括返済費用
ローンの一括返済費用は借入した金融機関によって異なりますが、ここでは15,000円としておきます。
ローンの一括返済費用については「3-4.ローンの一括返済費用」で詳しく紹介しています。
■譲渡所得税
譲渡所得税は、売却益が出ていても3,000万円以下のため、特別控除を利用して支払いません。
譲渡所得税については「3-5.譲渡所得税」を参照してください。
以上をまとめると以下のようになります。
売る時にかかった費用の合計は、77万1,000円となりました。
6-2.買う時の費用シミュレーション
買う時に必要な費用は
- 物件の購入費用
- 仲介手数料
- 印紙税
- 融資事務手数料
- 保証料
- 不動産取得税
- 不動産登記に関わる費用
です。
物件の購入費用は3,000万円をもとに、諸費用を計算していきます。
■仲介手数料
仲介手数料は3,000万円×0.03+6万円で計算できます。
仲介手数料は105万6,000円です。
仲介手数料については「4-2.仲介手数料」を参照してください。
■印紙税
印紙税は1,000万円以上5,000万円以下で1万円です。
印紙税については「4-3.印紙税」に詳しく記載されています。
■融資事務手数料・保証料
融資事務手数料と保証料は借入する金融機関によって異なりますが、ここではメガバンクからインターネット経由で借入したことを想定し、融資事務手数料のみの3万円とします。
融資事務手数料については「4-4.融資事務手数料」、保証料については「4-5.保証料」をご覧ください。
■不動産取得税
不動産取得税は3,000万円の3%で90万円を納めます。
不動産取得税については「4-6.不動産取得税」を参照してください。
■不動産登記に関わる費用
不動産登記に関わる費用は、中古マンションを購入しているため、所有権移転登記を行います。
所有権移転登記の登録税は購入費の2%で60万円です。
司法書士への報酬3万円を合わせて、63万円となります。
不動産登記に関わる費用については「4-7.不動産登記に関わる費用」をご覧ください。
以上をまとめると以下のようになります。
買う時に必要な費用は、物件の購入費用以外で262万6,000円です。
6-3.3つの費用を合わせる
売る時に必要な費用は77万1,000円、買う時に必要な諸費用は262万6,000円です。
合計で339万7,000円となります。
さらに、引っ越し費用やハウスクリーニング費用、仮住まいの費用などその他の費用が入ります。
その他の費用は引っ越し時期や、売り先行なのか買い先行なのかによって変わりますが、約80万円ほどかかると想定します。
新居の購入費用と合わせると、住み替えにかかる総額は3,419万7,000円です。
物件の購入費用以外で、400万円超は住み替えにかかるということになります。
資金計画を立てる際は、必ず購入費用以外にかかる費用について計算に入れておきましょう。
7.住み替え費用を節約する4つの方法
住み替えにかかる費用について紹介しましたが、なるべくなら費用を抑えて購入費用に回したいと思う場合、住み替えの費用を節約するにはどうすればいいのでしょうか?
住み替え費用を節約するには、次の4つの方法がおすすめです。
- 節税できる特例を利用する
- 住み替えにかかる期間を長めにとる
- 引っ越し費用が安い12月~1月を狙う
- ハウスクリーニングは二軒同時に行う
それぞれについて詳しくみていきましょう。
7-1.節税できる特例を利用する
住み替えにかかる費用を節約するには、節税できる特例を利用するのがおすすめです。
住み替えで家を売却した時、売却益が出た場合譲渡所得税を納めなくてはなりません。
売却益が出た時に使えるのが3,000万円の特別控除です。
3,000万円の特別控除とは、簡単に言うと売却益が3,000万円までの場合、譲渡所得税を無料にしてくれるという制度です。
譲渡所得税は高額になる場合もありますから、こちらの制度を活用すると良いでしょう。
また、新しい家を住宅ローンを組んで購入した場合は、住宅ローン減税という制度を利用することも出来ます。
これは住宅ローンの残高に応じて、10年間所得税を控除してもらえるという制度です。
その他にも住み替えの時に使える制度がありますから、ぜひ活用してみましょう。
節税できる制度については
譲渡所得の特別控除について詳しく書かれたこちらの記事や、住み替えにかかる税金について詳しく解説しているこちらの記事も参考にしてみてください。
7-2.住み替えにかかる期間を長めにとる
住み替えの費用を抑えるには、住み替えにかかる期間を長めにとるのも効果的です。
住み替えの期間が短いと、思っていたよりも低い価格で旧居を売却しなければならなかったり、費用を抑えるための他の方法を使えなかったりしてしまいます。
なるべく住み替えにかかる期間を長めにとることで、じっくりと売却を行い、自分の思っていた価格で旧居を売却することで、新居の購入資金を増やし、費用負担を減らすことができるのです。
最初に住み替えの計画を立てる時、なるべく期間を長めにとって余裕を持った住み替えをするようにするとよいでしょう。
7-3.引っ越し費用が安い12月~1月を狙う
引っ越し費用は時期によって異なるため、費用を抑えたいなら閑散期となる12月から1月に引っ越しするのがおすすめです。
同じ量の家財道具を運ぶのであっても、繁忙期と閑散期では価格が変わってしまいます。
価格差は依頼する引っ越し業者や荷物の量、荷物を運ぶ距離によって変わりますが、2万円から多いと10万円もの差額が出る場合もあります。
繁忙期は、転勤や進学などで引っ越す方が多い3月から4月までの間と、9月から10月です。
この期間は引っ越し費用が高騰する上、日にちも選びにくいため、できればそれ以外の時期に引っ越せるよう住み替えのスケジュールを立てると良いでしょう。
引っ越し費用が一番安い12月から1月は特におすすめです。
7-4.ハウスクリーニングは二軒同時に行う
ハウスクリーニングを旧居と新居両方行う場合は、それぞれ別の時期に依頼するよりも二軒同時に行うと費用を抑えることができます。
ハウスクリーニングの費用は、家の広さによって異なります。
費用相場は2LDKで4万円前後、3LDKで45,000円前後です。
2軒分をそれぞれ頼むと二倍かかりますが、同時に依頼することで割引してもらうことが可能です。
なるべく費用を抑えたいなら、二軒同時にハウスクリーニングできるよう住み替えのスケジューリングを組むと良いでしょう。
8.住み替え費用の負担を減らすなら売り先行
住み替えにはどれくらいの費用がかかるのか、費用を抑えるのにはどうすればいいのかについて説明しました。
費用はわかったけれど、できるだけ負担を減らしたいと思う場合、おすすめするのは「売り先行」で住み替えを行うことです。
売り先行とは、住み替えの場合、先に旧居を売ってから新居を購入するケースのことです。
売り先行にするとなぜ住み替えの費用負担が減るのか、買い先行の場合に費用負担を減らす方法を紹介します。
8-1.売却で得た資金を新居の購入資金にできる
売り先行で費用負担が減らせる理由は、「売却で得た資金を新居の購入資金にできる」からです。
住み替えには様々な費用がかかりますが、最も費用が大きいのは「新居の購入費用」です。
「4.家を買う時に必要な費用」でも紹介したように、物件の購入費用の相場は2,500万円から4,500万円とかなり高額です。
新居の購入費用は、住み替えの費用の中でも最も負担が大きい部分となります。
先に新居を購入してから旧居を売却する「買い先行」の場合、新居の購入費用を別途用意しておく必要があり、負担が大きくなるのです。
旧居の住宅ローンが残っている場合、新居の購入のために組んだ住宅ローンと合わせて2重の返済が必要になることもあります。
先に旧居を売却してから新居を購入する「売り先行」の場合、新居の購入費用の多くを売却して得た資金で賄うことができます。
旧居の住宅ローンの残債を売却益で一括返済することもできるため、費用負担をぐっと減らすことができるのです。
8-2.買い先行なら買い換え特約を利用するのも◎
売り先行の方が費用負担が減らせることはわかっていても、「気に入った物件が見つかってしまった」など買い先行になってしまう場合もあります。
そんな時に費用負担を減らす手段として「買い換え特約」を使うという方法もあります。
買い換え特約とは、旧居が期間内に売却出来なかった場合、新居の購入を取りやめることができるという特約です。
売りと買いをほぼ同時にすることができ、売却益を新居の購入費用に充てることが可能です。
万が一売却できない場合は購入の契約を取り下げることができるため、リスクを減らすことができます。
買い換え特約は売主が個人の場合は断られることが多く、売主が不動産会社の場合に利用できます。
その場合、旧居の売却の仲介も同じ不動産会社に依頼する必要があります。
買い換え特約を利用したい場合は、売主が不動産会社の物件を探すようにしてください。
9.まとめ
住み替えの費用について紹介しました。
住み替えには、大きな費用が必要になります。
無理なく理想の住み替えをするには、しっかりとした費用のシミュレーションを行っておく必要があるのです。
住み替えの費用について、新居の購入費用だけでなく、その他の費用もしっかりと把握し、無理のない資金計画を立てましょう。
最後に住み替えの費用についてまとめておきます。
◎住み替えに必要な費用は
- 新しく住む家の取得費
- 諸費用
の2つがあります。
また、諸費用は売る時と買う時両方に必要です。
◎住み替えにかかる費用の相場
住み替えにかかる費用の相場は
- 売る時に必要な諸費用の相場は、売買価格の5~7%
- 買う時の諸費用は物件価格の5~8%
です。
◎家を売る時に必要な費用
家を売る時に必要な費用には
- 仲介手数料
- 印紙税
- 抵当権抹消費用
- ローンの一括返済費用
- 譲渡所得税
があります。
◎仲介手数料
次の計算式で出すことができます。
◎印紙税
印紙税は売買契約書の額によって納める額が決まります。
納める額は次の表のとおりです。
◎抵当権抹消費用
抵当権抹消費用は、一軒家の場合は土地と建物合わせて2,000円を登録税として納めます。
マンションの場合は2,000円です。
登録税に合わせて司法書士への報酬も必要です。
司法書士への報酬は地域や事務所によって異なりますが、14,000円から19,000円ほどが相場となります。
◎ローンの一括返済費用
ローンの一括返済費用は、金融機関によって異なります。
◎譲渡所得税
次の計算式で計算が可能です。
◎家を買う時に必要な費用
家を買う時に必要な費用は次のようなものがあります。
- 物件の購入費用
- 仲介手数料
- 印紙税
- 融資事務手数料
- 保証料
- 不動産取得税
- 不動産登記に関わる費用
おおまかに分けると、物件の購入費用とその他の諸費用が必要です。
諸費用は、物件価格の5~8%が相場です。
◎物件の種類別の購入費用
平均額は次の通りです。
◎仲介手数料
次の計算式で求められます。
◎印紙税
印紙税は売る時と同じく売買契約書の記載金額によって納める額が決まります。
◎融資事務手数料
融資事務手数料は、金融機関によって異なります。
◎保証料
金融機関によって異なり、無料の場合、金利に上乗せされる場合、一括で支払う場合があります。
一括前払いの場合の相場は借入金額によって異なりますが、3,000万円借り入れした場合は65万円から75万円が相場となります。
金利に上乗せする場合は、金利にプラス0.2%上乗せするケースが多いようです。
◎不動産取得税
不動産取得税とは、新しく不動産を購入したときに納める税金です。
不動産取得税は次の計算式で求められます。
◎不動産登記に関わる費用
- 不動産登記の登録税
- 登記を行った司法書士への報酬
の2つがあります。
不動産登記の登録税は、新居の種類によって変わります。
次の表を参考にしてください。
◎司法書士への報酬
◎その他にかかる費用
その他にかかる費用としては
- 仮住まいのための費用
- 引っ越し費用
- ハウスクリーニング費用
があります。
◎住み替えにかかる費用のシミュレーション
旧居 築10年のマンション 2,000万円で売却
新居 築15年のマンション 3,000万円で購入
売る時に必要な費用は77万1,000円、買う時に必要な諸費用は262万6,000円です。
合計で339万7,000円となります。
新居の購入費用と合わせると、住み替えにかかる総額は3,419万7,000円です。
◎住み替えの費用を節約するには
- 節税できる特例を利用する
- 住み替えにかかる期間を長めにとる
- 引っ越し費用が安い12月~1月を狙う
- ハウスクリーニングは二軒同時に行う
の4つの方法があります。
◎住み替えの費用の負担を減らすには売り先行
売り先行は「売却で得た資金を新居の購入資金にできる」ため、住み替えの費用の負担を減らすことが可能です。
◎買い先行なら買い換え特約を使うのも◎
買い換え特約を結んでおけば、旧居が売却できなかった場合に新居の購入を取りやめることが可能です。
買い換えの費用について理解した上で、きちんとした資金計画を立て、無理なく負担を減らしながら住み替えを実現してください。
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