マンション管理適正評価制度とは?評価項目やメリット・デメリットまで徹底解説

マンションの管理状態は、物件の維持コストや資産価値に関わる大切な要素です。
「マンション管理適正評価制度」は、マンションの管理状態を共通基準で評価する仕組みです。
評価結果はインターネット上に公開され、物件の管理状態のチェックに役立ちます。

本記事では、マンション管理適正評価制度の仕組みや評価項目、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。

スムナラでは、知識豊富な担当者がマンション管理適正評価制度の活用方法も含めて、中古マンション選びを丁寧にサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者プロフィール
滋野 陽造
宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

早稲田大卒。マスコミ広報宣伝・大手メーカーのWebディレクター・不動産仲介業を経て、ライター業・不動産投資に従事。宅建士の業務の他、物件写真撮影とレタッチ・販売賃貸図面作成・重説契約書作成まで対応していた。実務経験をもとに、不動産の購入・売却、住まいの知恵、暮らしの法令、税金・法律などの幅広いテーマの執筆を行う。法令に則しながら、時流や現状も踏まえた解説を心掛けている。

本記事の内容は2026年10月1日時点の情報に基づいており、不動産市場の状況や関連法規、税制などは将来変更される可能性があります。最新の情報については、公式の情報源をご確認ください。

目次

マンション管理適正評価制度とは?

マンション管理適正評価制度の仕組みや評価項目、評価方法について解説します。 あわせて、同時期にスタートした「マンション管理計画認定制度」との違いについても紹介します。

マンション管理適正評価制度の概要

「マンション管理適正評価制度」は、マンションの管理状態や管理組合の運営状況を共通の基準にもとづいて評価する制度です。 評価結果はインターネット上で公開されるため、マンションの購入を検討する人が管理状況を比較・判断する際の参考情報として活用できます。

マンション管理適正評価制度は、一般社団法人マンション管理業協会が不動産関連団体と連携して創設し、2022年4月にスタートしました。
制度が始まる以前はマンションの管理状態を比較するための統一された評価基準がなく、建物の状態や将来的な資産価値を適正に把握することが難しいケースもありました。
マンション管理適正評価制度に沿って管理状態を評価・公開することで、マンションが市場で正しく評価されることを目指しています。

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評価では、マンションの管理状態を5つの分野・30項目に分けて確認し、合計100点満点で点数化します。

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評価項目主な評価内容配点
管理体制関係管理者や監事が選任されているか
総会が年1回以上開催されているか
管理規約が整備されているかなど
20点
建築・設備法定点検の実施状況や報告書の保管状況
直近5年間の共用部分の修繕履歴の保管状況
長期修繕計画が作成されているかなど
20点
管理組合収支管理費と修繕積立金を区分して経理しているか
管理費と修繕積立金の会計収支
管理費と修繕積立金の滞納状況
修繕積立金の額など
40点
耐震診断関係耐震診断や耐震改修の実施状況など10点
生活関連警報発報時の緊急対応体制の有無
区分所有者と居住者の名簿を備えているか
消防訓練の実施状況など
10点
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合計点に応じて、マンションの管理状態は6段階で評価されます。

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評価を星で評価する5段階評価
+1
ポイントランク管理状態
★★★★★90点~100点特に優れている
★★★★☆70点~89点優れている
★★★☆☆50点~69点良好
★★☆☆☆20点~49点一部改善が必要
★☆☆☆☆1点~19点管理に問題があるが、
情報の開示がある
☆☆☆☆☆0点以下管理不全の疑いがある

参考:
一般社団法人マンション管理業協会「マンション管理適正評価制度」
一般社団法人マンション管理業協会「マンション管理適正評価制度 登録情報項目一覧表 (管理状態等級評価)」

マンション管理計画認定制度との違い

マンション管理適正評価制度と同時に、公的な仕組みである 「マンション管理計画認定制度」もスタートしました。
マンション管理計画認定制度は、マンションの管理計画が国の基準を満たしている場合に地方公共団体が「適切な管理計画を有するマンション」 として認定する制度です。

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両制度には、運営主体や審査項目、申請先などに違いがあります。

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マンション管理適正評価制度マンション管理計画認定制度
運営主体一般社団法人マンション管理業協会地方公共団体
判定方式30項目を点数化し、6段階で評価16項目すべて満たすことが必須
審査項目30項目
(16項目はマンション管理計画認定制度と共通 )
管理体制
耐震診断
管理組合収支
生活関連
建築・設備など
16項目+自治体ごとの独自基準
管理組合の運営
長期修繕計画
管理規約
管理組合の経理など
有効期間1年間5年間
申請先一般社団法人マンション管理業協会地方公共団体
  • マンション管理適正評価制度:
    管理状態を点数と段階で評価し、どの程度管理が行き届いているかを把握できる制度。
    耐震診断やペット飼育ルールなど、幅広い項目が評価対象。
  • マンション管理計画認定制度:
    一定の管理基準をクリアしているかを確認できる制度。
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マンション管理適正評価制度の30項目のうち16項目は、マンション管理計画認定制度の必須項目と共通しており、両制度を一括申請できるワンストップサービスも用意されています。
制度を利用する際は、それぞれの目的や審査内容を確認したうえで、活用方法を検討しましょう。

参照:
国土交通省「マンション管理計画認定制度」

マンション管理適正評価制度に登録するメリット

マンション管理適正評価制度への登録は、マンション全体にさまざまな良い変化をもたらします。 ここでは、マンション管理適正評価制度に登録する3つのメリットを解説します。

資産価値・売却時の評価向上が期待できる

マンションの管理状態が客観的に評価されることで、「適切に管理されているマンション」であることを示しやすくなります。
評価が高いほど資産価値が上がったり、より高い価格で売却できたり、購入希望者に選ばれやすくなったりするなど、マンションを売却する際に有利に働くことが期待できます。

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ただし、マンションの資産価値や売却価格は管理状況だけで決まるものではありません。
立地や周辺環境、築年数や建物の状態、エリアの開発状況など、さまざまな要素が影響します。
よってマンション管理適正評価制度の評価結果は、物件の価値を判断する際の要素の1つとして捉えましょう。

管理組合の運営がしやすくなる

マンション管理適正評価制度の評価基準に沿ってマンションの管理状態を確認することで、現在の状況や改善するべきポイントを把握しやすくなります。 また客観的な基準をもとに改善目標を設定できるため、管理組合の理事会や総会で議論する際の資料としても活用できます。 例えば修繕計画の見直しや必要な修繕について検討する際にも、評価結果を参考にしながら具体的な課題を共有できます。 マンションの管理状態について共通の認識を持つことは、区分所有者間での合意形成を進めるうえでも重要です。

管理の行き届いた状態を維持しやすくなる

マンション管理適正評価制度の評価結果を継続して公開する場合は、1年ごとに更新しなければなりません。
毎年の更新のたびに管理状態を確認することで、改善すべきポイントを見直す機会をつくれます。
評価結果を設備の維持管理や修繕計画などに反映させることで、不具合の放置を未然に防ぎ、適切な状態を継続するための目標として活用できます。

マンション管理適正評価制度に登録するデメリット

マンション管理適正評価制度に登録するメリットがある一方で、留意すべきデメリットも存在します。 制度の登録を検討する際は、負担や注意点を正しく把握したうえで準備を進めることが重要です。

費用と労力がかかる

マンション管理評価制度を利用するには、登録料や評価・申請手数料などの費用がかかります。

また申請にあたっては総会議事録や委任状、同意書など、必要な書類を準備しなければなりません。
総会での決議や管理会社への依頼、評価者による審査への対応など、一定の負担が発生する点にも注意が必要です。

さらに評価結果の表示期間は登録完了日から1年間となっているため、継続して表示するには毎年更新手続きを行わなければなりません。

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制度への登録を検討する際は、費用のほかに労力や時間がかかることを考慮しておきましょう。

評価結果が低く出る可能性がある

マンション管理適正評価制度では、評価結果を選択して公開・非公開にすることはできません。
評価結果が高い・低いに関わらず、管理状態に関する情報は等しくインターネット上に公開されます。
マンション購入検討者にとって評価結果は重要な判断材料となるため、資産価値や売却価格などに影響する可能性があります。

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しかし評価によって管理上の課題が明確になれば、マンション全体の管理状態を見直すきっかけにもなります。
評価結果を単なる良し悪しの判断として捉えるのではなく、改善すべき点を把握するための材料として活用することが大切です。

総会決議での承認が必要

マンション管理適正評価制度への登録申請や情報開示を行うにあたって、総会での決議を通じて区分所有者の合意を得る必要があります。
区分所有者の中には「なぜ管理状態を外部に公開するのか」「評価が低かった場合、資産価値に影響するのではないか」といった懸念を持つ人も考えられます。
区分所有者の理解を得るには、制度の仕組みや登録する目的、評価結果の公開方法などについてわかりやすく説明しなければなりません。

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総会で承認を得られなければ登録手続きを進められないため、費用や手続きだけでなく、区分所有者の合意形成に必要な時間や労力も含めて検討しましょう。

登録・更新の流れと費用

マンション管理適正評価制度への登録には、いくつかの手続きが必要です。 また、登録料や評価・申請手数料などの費用も発生します。 ここでは、マンション管理適正評価制度に登録する際の大まかな手続きの流れと、費用の目安について解説します。

登録・更新の流れ

マンション管理適正評価制度の登録・更新の、主な流れは以下のとおりです。

  1. 管理組合から評価者にマンションの事前評価を依頼
  2. 評価者が事前評価の結果を管理組合に通知
  3. 登録申請・情報開示について総会で決議
  4. 総会の決議を経て、管理組合が評価者へ登録申請を依頼
  5. 評価者が管理状態を評価
  6. 評価者が登録料を支払う
  7. 評価結果を「マンション管理適正評価サイト」に公開
  8. 評価者が登録完了・公開内容を確認し、管理組合への通知
  9. 管理組合が公開内容と登録証を確認
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なお審査の依頼者はマンション管理組合で、評価者にはマンション管理会社やマンション管理士などが該当します。

費用

マンション管理適正評価制度への登録には、以下の費用がかかります。
マンション管理適正評価制度のみを申請する場合と、マンション管理計画認定を同時に申請する場合では、必要な費用が異なります。

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マンション管理適正評価制度のみ申請する場合登録料:5,500円(税込)
評価・申請手数料:評価者によって異なる
マンション管理適正評価制度と
マンション管理計画認定を同時に申請する場合
登録料:5,500円(税込)
評価・申請手数料:評価者によって異なる
システム利用料:10,000円(税込)
管理計画認定の事前確認審査料:管理組合と評価者間で決定
地方公共団体への手数料:自治体によって異なり、無料の場合もある

またマンションの改修や設備更新などによって管理状態に変化があり、評価結果を更新する場合は、通常の登録料(5,500円)とは別に3,300円(税込)の更新料が必要です。

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登録料だけでなく、評価・申請手数料や更新料なども含めた合計費用を確認しておきましょう。

参考:
一般社団法人マンション管理業協会「マンション管理適正評価制度」

まとめ

マンション管理適正評価制度の評価結果がインターネット上に公開されることで、物件の購入を検討している人が管理状態を確認しやすくなります。
また管理組合にとっても、マンションの管理状態や改善点を把握するための材料として活用できます。

実際にマンション管理適正評価制度において★5の評価を受けたマンションは、評価を受けていないマンションと比較して、約11%の価格上昇傾向が見られるというデータもあります。

ただしマンション管理適正評価制度による評価結果は、あくまで物件の管理状態を判断する材料の1つです。
中古マンションを選ぶ際は、マンション管理適正評価制度の評価結果だけでなく、大規模修繕の実績や今後の修繕計画、修繕積立金の状況などが確認できる重要事項調査報告書も、物件の管理状態を把握するうえで重要な資料です。
このように必要な情報や知識は多岐に渡るため、細かいところまでサポートしてくれる仲介会社に相談することがマンション選びの成功に繋がります。

スムナラでは、マンションの管理状況(建物全体の健康寿命)を把握するためのノウハウを蓄積しています。気になる物件の価値や重要事項調査報告書の取り寄せ方など、中古マンション選びに関するご相談も可能です。

滋野

知識豊富な担当者がマンション選びを丁寧にサポートいたしますので、ぜひスムナラにお気軽にご相談ください。

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